机上演習とは? わかりやすく解説

机上演習

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/25 05:51 UTC 版)

総力戦研究所」の記事における「机上演習」の解説

第一期生の入所から3か月余り経過した1941年7月12日2代目所長飯村穣陸軍中将)は研究生対し日米戦争想定した第1回総力戦机上演習(シミュレーション計画発表同日研究生たちによる演習用の青国日本模擬内閣組織された。 模擬内閣閣僚となった研究生たちは7月から8月にかけて研究所側から出される想定情況課題に応じて軍事・外交経済の各局面での具体的な事項兵器増産見通し食糧燃料自給度や運送経路同盟国との連携など)について各種データを基に分析し日米戦争の展開を研究予測したその結果は、「開戦後緒戦勝利見込まれるが、その後の推移長期戦必至であり、その負担青国日本)の国力は耐えられない戦争終末期にはソ連の参戦もあり、敗北避けられない。ゆえに戦争不可能」という「日本必敗」の結論導き出した。これは、現実日米戦争における戦局推移とほぼ合致するものであった原子爆弾登場想定外だった)。 この机上演習の研究結果講評8月27・28両日首相官邸開催された『第一回総力戦机上演習総合研究会』において時の首相近衛文麿陸相東條英機以下、政府統帥関係者の前で報告された。 研究会閉会当たって東條は、参列者の意見として以下のように述べたという。 諸君研究労を多とするが、これはあくまでも机上演習でありまして、実際戦争というものは、君達考えているような物では無いのであります日露戰争で、わが大日本帝国勝てるとは思わなかった。然し勝ったであります。あの当時列強による三国干渉で、やむにやまれず帝国立ち上がったのでありまして、勝て戦争だからと思ってやったのではなかった。戦というものは、計画通りいかない。意外裡な事が勝利繋がっていく。したがって諸君考えている事は机上の空論とまでは言わないとしても、あくまでも、その意外裡の要素というものをば、考慮したものではないのであります。なお、この机上演習の経緯を、諸君軽はずみに口外してはならぬということであります。(表記現代式に改め対米開戦3ヶ月前のことであった

※この「机上演習」の解説は、「総力戦研究所」の解説の一部です。
「机上演習」を含む「総力戦研究所」の記事については、「総力戦研究所」の概要を参照ください。

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