机の前のティトゥスとは? わかりやすく解説

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机の前のティトゥス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/19 02:28 UTC 版)

『机の前のティトゥス』
オランダ語: Titus van Rijn aan de lezenaar
英語: Titus at His Desk
作者レンブラント・ファン・レイン
製作年1655年
種類キャンバス上に油彩
寸法77 cm × 63 cm (30 in × 25 in)
所蔵ボイマンス・ヴァン・ベーニンゲン美術館ロッテルダム

机の前のティトゥス』(つくえのまえのティトゥス、: Titus van Rijn aan de lezenaar: Titus at His Desk)は、17世紀オランダ絵画黄金時代の巨匠レンブラント・ファン・レインが1655年にキャンバス上に油彩で制作した絵画である。画面下部左側に「Rembrandt f. 1655」という画家の署名と制作年が記されている[1]。1940年にレンブラント協会英語版 (オランダの美術館の作品購入を援助する組織) と多数の個人の支援で購入されて以来、ロッテルダムボイマンス・ヴァン・ベーニンゲン美術館に所蔵されている[1][2][3]

作品

レンブラントと最初の妻サスキア・ファン・アイレンブルフとの間に生まれた3人の子供はいずれも生後間もなく没し、ようやく1641年に4番目に生まれたティトゥス・ファン・レイン英語版だけが成人した[3][4]。後にレンブラントが破産した時、彼と結婚してはいなかったものの、事実上の妻であったヘンドリッキエ・ストッフェルス英語版とティトゥスは、彼を債権者から守るために美術商会を設立した。 ヘンドリッキエが1663年に死去した後もティトゥスは美術商会を継続し、1668年に結婚したが、同年に死去した。父レンブラントが死去する1年前のことであった[3]。 なお、ティトゥスはレンブラントから画家としての修業を受けたが、彼の芸術的活動の痕跡はほとんど残っていない[3]

ティトゥスの顔は、レンブラントによる数々の絵画に描かれている。彼は『僧としてのレンブラントの息子ティトゥス』 (アムステルダム国立美術館)、『読書するティトゥス』 (美術史美術館ウィーン)、優雅な衣服、ベレー帽、金の鎖を身に着けた『レンブラントの息子ティトゥス』 (ウォレス・コレクションロンドン) などにおいて様々な姿で登場する[3]

本作は、14歳ごろのティトゥスの肖像の可能性がある[2]。しかし、ティトゥスは実際より年下の少年のように見える。8歳か9歳くらいの子供のような大きな目、丸い頬、小さな口をしており、14歳の少年のようには見えない[3]。紙の上に身をかがめ、思慮深く遠くを見ている彼は片手に羽根ペンを持ち、もう一方の手にはインク壺と筆入れを持っている[2][3]。この絵画の素晴らしい特質は照明、三角形構図、そして前景に見られる粗く、ほとんど表現主義的な筆致である[2]。少年の腕と紙は一度の筆致で描かれているにすぎず、机の上にはパレットナイフで描かれた広い色面が見て取れる[3]

ギャラリー

脚注

  1. ^ a b Titus at his desk, dated 1655”. オランダ美術史研究所サイト (英語). 2025年5月18日閲覧。
  2. ^ a b c d Titus at His Desk”. ボイマンス・ヴァン・ベーニンゲン美術館公式サイト(英語). 2025年5月18日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g h Titus Reading Aloud”. Web Gallery of Artサイト(英語). 2025年5月18日閲覧。
  4. ^ 『カンヴァス世界の大画家 16 レンブラント』、1982年、90頁。

参考文献

外部リンク




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