朱漆輪花天目盆
主名称: | 朱漆輪花天目盆 |
指定番号: | 2620 |
枝番: | 00 |
指定年月日: | 2004.06.08(平成16.06.08) |
国宝重文区分: | 重要文化財 |
部門・種別: | 工芸品 |
ト書: | 底裏に享徳四年、西大寺沙弥方天目盆、二之内の漆銘がある |
員数: | 1面 |
時代区分: | 室町 |
年代: | 享徳四年(1455) |
検索年代: | |
解説文: | 中世の社寺を中心に多く用いられた、朱漆塗りを主体とするいわゆる根来【ねごろ】塗りの遺例である。こうした朱漆器には、折敷【おしき】、高杯【たかつき】、瓶子【へいし】などのような和様と、輪花形や華足【けそく】といった装飾を伴う机、脚付盆のような、元・明代の器物類の影響を受けた唐様とがあるが、本件は後者の一例で、力強い曲面で構成された大型輪花盆の代表的優品として喧伝されている。 銘文により作期の下限(享徳四年)が明らかであり、また文中に「天目盆」とあることから、こうした器物を天目盆と称していたことが判明する。この種の盆は、『慕帰絵』巻第五や『福富草紙』などの絵巻物に描かれているが、そこでは天目を載せた天目台が置き並べられており、本件も同様の用途に用いられたと考えられる。 作行の優れた基準作であるとともに、名称や用途のわかる喫茶の歴史資料としても貴重である。なお同形同銘の盆が、奈良・西大寺に所蔵されており、両者がもと二点一具をなしていたことが明らかである。 |
朱漆輪花天目盆
主名称: | 朱漆輪花天目盆 |
指定番号: | 2556 |
枝番: | 00 |
指定年月日: | 1994.06.28(平成6.06.28) |
国宝重文区分: | 重要文化財 |
部門・種別: | 工芸品 |
ト書: | 底裏に享徳四年、西大寺沙弥方天目盆の漆銘がある |
員数: | 1面 |
時代区分: | 室町 |
年代: | |
検索年代: | |
解説文: | 檜材製漆塗、高台付の輪花形【りんかがた】の盆で、中塗りを黒漆、上塗りを朱漆とするいわゆる根来【ねごろ】塗りの手法で仕上げられている。 このように器の縁を輪花形に作る趣向は、当時さかんに輸入されていた唐物漆器の影響を反映したものである。力強い曲面によって的確に構成された、機能的な造形美を示す一方で、総体の鮮やかな朱漆と、経年の摩滅によって部分的に露出した黒漆との対比が、根来塗り特有の風合いを見せる。 底裏に「西大寺沙弥方天目盆/享徳四年〈乙/亥〉正月日/沙弥知事實明房」の漆銘が記されている。「慕帰絵詞」や「福富草紙」など、室町時代の絵巻物のなかには、この種の高台付盆に、唐物茶碗の一種である天目【てんもく】をのせた天目台を置いてある様が描かれているが、銘文の「天目盆」から、こうした器物を天目盆と称していたことが確認される唯一の例証であり、かつ製作時期の下限(享徳四年・一四五五)が明らかな基準資料として、また喫茶の歴史資料としても注目すべき貴重な遺例である。 |
重要文化財のほかの用語一覧
工芸品: | 朱漆角切盤 朱漆足付盥 朱漆輪花天目盆 朱漆輪花天目盆 朱漆金銅装楯 朱漆金銅装神輿 松喰鶴蓬莱山蒔絵袈裟箱 |
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