朱漆角切盤/朱漆入角盤/朱漆擎子
主名称: | {朱漆角切盤/朱漆入角盤/朱漆擎子} |
指定番号: | 2524 |
枝番: | 00 |
指定年月日: | 1989.06.12(平成1.06.12) |
国宝重文区分: | 重要文化財 |
部門・種別: | 工芸品 |
ト書: | 長禄元年の寄進漆銘がある |
員数: | |
時代区分: | 室町 |
年代: | 長禄元年(1457) |
検索年代: | |
解説文: | 角切盤は四角【よすみ】を削いだ通例の折敷【おしき】形である。入角盤は大・小とも同形で、四角を内に刳り込んだ入角形とし、表面の周縁は細い縁を造り出し、裏面は四隅を低い刳形脚状に造り出し、四方の周縁を大きく面取っている。また裏面には二本の細木を嵌めて反り止めとしている。擎子は高台付の皿状をなすが、上面は平で、中央部には椀をのせるため浅く彫り込んでおり、また入角盤と同様に上面二か所に二本の反り止めの細木を嵌めている。 いずれも表面は黒漆のままとしており、角切・入角盤の上面中央には「真清田」の透漆銘を、裏面中央には「長禄元年〈丁/丑〉十月晦日 願主公範」の朱漆銘がある。また擎子には一枚を除き、上面に「真清田」の透漆銘、高台内には「長禄元丁〈願主/公範〉丑十晦日」の朱漆銘がある。 漆銘中の真清田とは尾張国一宮の真清田神社のことであり、当社における神前の供具【くぐ】として用いられたものである。 俗に根来塗と称される朱漆器は、主に中世以降に調度・飲食具類として多用されており、その遺存するものも数多い。その中にあって当社の朱漆器は、刳形脚を造り出し、反り止めを施すなど特色ある形態・技法を示す入角盤・擎子を含み、しかも作期・由緒を明確にし、かつ当社に纒まって伝存している。 なお、附の銅鋺・銅皿は盤・擎子より後代の寄進にかかるものであるが、盤と一具として用いられてきたものである。 中世漆工芸史上の基準作例として、かつ神饌具の伝存極めて稀な一括資料として重要である。 |
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