本艦のサイズデータについて
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 06:44 UTC 版)
「ヤマト (宇宙戦艦ヤマト)」の記事における「本艦のサイズデータについて」の解説
上記のデータは、『ヤマト』放送当時の製作会社オフィスアカデミーが1978年に公式資料集・豪華本『宇宙戦艦ヤマト全記録集』を出版した際に固定されたもので、それ以前はヤマトの大きさに関しては、おおむね300メートル以上といった取り決めしかされていなかった。そのため、『ヤマト』放送当時の設定資料を見ると、全長が263メートル、300メートル、330メートルなどとかなり曖昧である。なお、ベースとなった戦艦「大和」は、全長263メートルであった。特に司令塔をはじめとする上構は旧「大和」の残骸が“脱皮”するという描写で劇中登場するため、実物の「大和」よりも大きくはなりえず、ケイブンシャ『宇宙戦艦ヤマト大百科』[要ページ番号]等に掲載された「大和」「ヤマト」新旧比較図も、両者の全長、全幅は同寸として描かれている。 松本零士は講演会でのファンからの全長に関する質問に対し、「戦艦大和よりも30メートル程度長い、ロケットノズルが付いている分長くなっている、主砲と艦橋の位置は大和と同じ場所にある」と答えている。 大和とヤマトを同じ大きさの絵で並べてみると、艦橋は大和よりも後方に位置しており、艦橋の位置が変わっていないとすると、前部分が延びていることになる。本作が作成された後の1985年に行われた潜水調査で判明した現実世界の海底に眠る大和の艦橋は本来の位置から外れて艦首に踏まれており、劇中のように立っている形ではない(艦体も内部爆発によって前後に分断しており、後部は転覆している)。沈没状況は位置以外はこの潜水調査までほぼ不明の状態だった。 さらに上記の諸元は現実的にシミュレーションした場合に矛盾が生じる。特に、以下の3点は制作者側も矛盾を承知の上での演出であり、設定書に矛盾点として明記されている。 設定されたサイズでは、艦載機は数機しか格納できない。 第一艦橋内部が、設定から導かれるサイズに比べて広すぎる。 船の形からロケット型に絞られる艦尾の形状は、立体化すると矛盾が生じる。 以上の点を無理なく収めるサイズに設定すると、ヤマトの全長は500メートルから700メートルぐらいが妥当となる(劇中では40機以上の艦載機を搭載していたため)。 艦内の広さの描写に関しては一定の法則があり、実際の寸法に対して2倍の広さで描くという「倍寸法」での表現でされている。しかし、舷側展望室などの一部の区画は、担当したデザイナーの違い等の原因により、倍寸法以上に広く描写されてしまっている。また、艦橋構造物両舷に装備されたレーダー(旧21号電探、コスモレーダー)は、「大和」では計2枚、「ヤマト」では4枚である。故に艦体や艦橋構造物の寸法設定を拡大しても「大和」残骸に「ヤマト」は収まりえない。なお、リメイク作品である『2199』においては大和の改造ではなく新造とし、また偽装も大和の残骸を「模した」ものとなったため残骸に収める必要性は無くなった。
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