朧夜漫談
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『朧夜漫談』(おぼろよまんだん)は、山口県田布施町にある宗教法人・神道天行居の教祖友清歓真が信者のために書いた論文である。主たる内容は水位の『禁厭秘辞』からの抜粋で、日本に伝わる古いまじないや黒魔術・呪術・妖術・幻術・隠形術・忍術を説明するほか、引用文献の書名などについても詳細に述べる。 神界に伝わる正伝のものは盗法がきかず仮に盗んでも霊験がないが、逆に魔道系のものは盗むことによって更に霊験があらたかになるとし、また魔道を行う者は終わりを良くせず、子孫に禍が降りかかり、その題名を書き記すだけでもおぞましいことだと記す。この秘辞の中でも取り上げている蹴みだし法に関するある種のものは、英国の黒魔術師アレイスター・クロウリーの使役する呪術(相手の後ろに立って歩調を合わせて歩き、突然自らがしゃがむと、相手がひっくり返る術)を髣髴とさせる。洋の東西を問わず魔術の原理が呪いの作用と同一で、起源はシャーマニズムやアニミズムにあることを知ることが出来る。 友清は隠秘学の蒐集家で土佐の宮地水位の文献資料蒐集家としても知られているが、この小編に限らず昭和10年頃掲載された天行居機関誌『古道』の「神道一家言」などの論考の中にも『禁厭秘辞』からの引用がなされている。友清は大本教在籍の頃すでに『幸安仙界物語』(『神界物語』)の端本を入手してその一部を機関誌『神霊界』の中に発表している。後に大本を脱退して一派を構え、格神教から神道天行居と改称したが、その中で蒐集した水位文献並びに各神道学派の資料類や、大本教の鎮魂帰神法、断易の九鬼神道、本田親徳の霊学、川合清丸や太古真法継承者の堀明道(天龍斎)の教義などを吸収して、自らの著作類の中に夥しく引用した。(注以下も折尾の古本屋の妄想記事。責任の所在を明らかにするため時々書き込み) 特に『寿書』全5巻や『神僊霊感使魂法訣』(天行居出版物)などの中の文献に関しては、妻の友清操の姻戚筋に当たる獣医の赤堀が、土佐の図書館・宮地文庫より模写した水位著作集の一部を信者に公開して出版している。これらの資料類や『禁厭秘辞』に述べられたものを参考に論文としてまとめあげたものが『朧夜漫談』である。市井に宮地水位の存在を知らしめた功績もあるとされるが、しかし著作権を無視して宮地家のものを公表したことについては功罪相半ばすることも指摘される。
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