明野図書館と「花さき山」
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「筑西市立図書館」の記事における「明野図書館と「花さき山」」の解説
『花さき山』は児童文学作家の斎藤隆介が執筆した文学作品であり、明野町立図書館として開館して以来、明野図書館を象徴するものとして扱われている。1985年(昭和60年)の図書館開館準備が着々と進む中で、初代館長となる三輪巴が書店で偶然手にした『花さき山』の絵本に感銘を受けたのが契機となった。 まず図書館職員のエプロンと紙芝居を貸し出す際に使う「かよい袋」のデザインを検討する中で、「花さき山」のラストシーンの挿絵を採用しようという運びになり、明野町立図書館から直接電話で挿絵を担当した滝平二郎に許諾を得て、版元の岩崎書店にも了承を得た。この顛末を三輪が図書館問題研究会茨城支部の会報『常陸野』に寄稿し、その文章が雑誌『みんなの図書館』に転載されると、鉾田町立図書館(現・鉾田市立図書館)の館長の目に留まった。鉾田町立図書館では滝平の原画展と作者を囲む会を企画しており、この席で三輪は滝平と岩崎書店の担当者と知り合い、明野町立図書館の最初のイベントとして「滝平二郎絵本原画展」を1986年(昭和61年)12月9日から12月14日まで開催、最終日には滝平本人を招いた講演を実施した。このイベント開催以降、製本講座や民話を聞く集い、絵や写真、ポスターなどの展示会と本人を招いての「囲む会」、各種のコンサートや演奏会など、各種イベントを積極的に開催するようになった。 更に1987年(昭和62年)に館報を創刊した際には「花さき山」を題名に採用した。その際、岩崎書店経由で斎藤の遺族からも許諾を得ており、館報の題字は滝平が切り絵で制作した。 「かよい袋」のデザインは子供だけでなく大人の利用者からも評価が高く、かよい袋を使いたいがために図書と一緒に紙芝居を借りる利用者や、多くの本を同時に借りてかよい袋に入れてほしいと要望する利用者もいるという。
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