日本的ヒーローの創造者
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『月光仮面』を筆頭として、1970年代前半に発表された川内三部作とも呼ばれる『レインボーマン』『ダイヤモンド・アイ』『コンドールマン』など、日本の特撮ヒーローの草創期に活躍した。 『月光仮面』のキャッチフレーズは「憎むな、殺すな、赦しましょう」であるが、これには川内が仏寺に生まれ育ったことが影響していると自ら語っている。しかし、「おふくろさん騒動」以降に小説版の再版が行われた際は「憎むな、殺すな、真贋(まこと)糺(ただ)すべし」と改めている。 昭和30年代のテレビ番組は外国製人気番組の全盛時代であり、貴重な外貨を費やす外国製番組に替えて国産番組を増やしていくことは時代の要請でもあったが、この依頼に対して日本独自のヒーロー番組を作り上げる上で、コンセプトは仏教で言う『借無上道』-無償の愛こそがこの世で最も尊いという川内の考えであった。ゆえに、月光仮面は善悪区別なく誰にでも降り注ぐ月光を象徴した月光菩薩をモデルとして創造され、また絶対的な力を持つ超人=神仏(如来)ではなくその代行者に過ぎず、悪を懲らしめ善人を助けるが、裁きはしないという性格を与えられた。『借無上道』の精神は川内の手がけるヒーローすべてに共通するテーマとなっている。 見た目の発想は忍者をオートバイに乗せて子供受けを狙ったとのこと。 漫画家の永井豪は『月光仮面』の大ファンで、パロディ作品『けっこう仮面』を連載する前に川内に製作許可をもらいに行ったところ、エロ作品であるにもかかわらず快く許可を出してくれたという。 『月光仮面』で祝十郎を演じた大瀬康一の本名大瀬一靉(おおせかずなり)が難しいとのことで、川内の「康」の字をつけて名付け親になった。大瀬は対面した川内を「どくろ仮面みたいな顔だった」と2018年11月8日放送の「少年テレビ映画」のヒーローに迫る BSテレ東『武田鉄矢の昭和は輝いていた』で回想している[信頼性要検証]。
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