日本共産党による主張
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/04 00:36 UTC 版)
「日本共産党スパイ査問事件」の記事における「日本共産党による主張」の解説
日本共産党は公式に、当時の裁判で認定された被告人による小畑・大泉に対する暴行の事実を全て否定している。また大泉・小畑に対するスパイの嫌疑も、裁判の中で自ら特高のスパイであることを理由に無罪を主張していた。大泉については、彼の主張の力点は、自分はスパイとして党活動をしたのだから、治安維持法違反に問われるべきではないというところにあった。日本共産党は、大泉のみならず、死亡した小畑も特高のスパイであったという見解に立っている。宮本は、両者とも、取調べの過程で警察と連絡をもっていたことを告白したと公判の中で宮本は陳述している。しかし、兵本が小畑の出身地である秋田県で現地取材したところによれば、誰もが小畑に限ってスパイなどやる男ではないと語った。また、宮本は、小畑について「激論しただけでも、また一寸指なんか触っただけでも」ポロッと死ぬような「特異体質、梅毒性体質、心臓の弱い体質」であったと供述しているが、小畑の実弟の書いた手紙などからすると、そのような事実はまったくなかった。 宮本は公判の中で、赤旗の表現はあくまでも比喩的なもので、スパイに対しての最高の処分は本名を明らかにしての除名であると陳述している。また、拳銃の所持は護身用であり、小畑の自由を拘束したのは「部下のことをいじめたりしてろくなことをせぬで党紀を乱すから、それは党の結束を維持する上においてやむを得ぬことであって、違法性は阻却される。」「ふろしきをかぶせたりして、こうやっているうちにおかしくなったから、ふろしきを取ってみたら死んでおった、そこでたまげて人工呼吸などをした」が生き返らなかったと、裁判で陳述している。 このため、小畑の死は外傷性のものでなく特異体質によるショック死であったが、山県警部は宮本顕治に対して「これは共産党をデマる為に絶好の材料である。今度我々はこの材料を充分利用して、大々的に党から大衆を切り離す為にやる。」と告げたという。
※この「日本共産党による主張」の解説は、「日本共産党スパイ査問事件」の解説の一部です。
「日本共産党による主張」を含む「日本共産党スパイ査問事件」の記事については、「日本共産党スパイ査問事件」の概要を参照ください。
- 日本共産党による主張のページへのリンク