新潟県中越地震による被害
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/03/01 08:55 UTC 版)
「新潟県道589号小千谷長岡線」の記事における「新潟県中越地震による被害」の解説
2004年(平成16年)10月23日に発生した新潟県中越地震で、長岡市妙見町地内(小千谷駅北約4km)の石坂山の西斜面が幅約240m、高さ約60mにわたって崩壊。真下を経由する小千谷長岡線の道路施設は完全に崩壊し、その土砂は信濃川まで流れ込んだ(崩落土砂量は推定約600,000m3)。地震発生時、現場付近では車両2台が通行していたが、このうちトラック1台は路盤ごと川へ転落し、乗用車1台は土砂や岩石に呑み込まれた。乗用車に乗っていた親子3人は約92時間後に発見され、母親と当時3歳の女児は死亡が確認されたが、当時2歳の男児が救出された。この土砂崩れの発生区間は中越地震の象徴的な被災現場のひとつとして、全国でも大きく報じられた。この小千谷市浦柄から妙見町にかけての区間は地震以降、全面通行止となり、崩落した土砂や構造物はしばらくの間手付かずになっていた。 しかし小千谷・長岡両市を結ぶ幹線道路が1路線絶たれたことにより(震災前は1日の平均通行量が約6,000台あった)、小千谷バイパスの交通量が著しく増大したため、特に朝夕の通勤時間帯には慢性的に流れが悪くなっていた。このため県と両市が検討した結果、2005年(平成17年)10月に原形復旧する方針を決定。延長300mにわたる区間について現場の崩落した土砂を撤去し、西側斜面はコンクリートや法枠ブロックで保護した上で、旧道東側を掘削して新経路が建設された。この復旧工事を経て2007年(平成19年)3月24日、長らく通行止が続いていた被災区間が2年半ぶりに開通し、通常通り通行できるようになった。また小千谷市木津交差点 - 長岡市妙見堰交差点間の最大通過所要時間(朝7時 - 9時)は、小千谷長岡線の通行止期間には最大約45分を要していたが、復旧後は約9分に短縮されている。 また県と両市は慰霊碑や公園などを有する震災の被害を伝える施設を、現場近くに建設する方針を同年11月28日に発表した。その後整備が進められ、中越地震から7年後の2011年(平成23年)10月23日に「妙見メモリアルパーク」として開場した。
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