文部科学大臣及び教育委員会相互間の関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/27 05:34 UTC 版)
「教育委員会」の記事における「文部科学大臣及び教育委員会相互間の関係」の解説
下記について、他の行政分野に比べ市町村に対する都道府県や文部科学省の関与が多く、教育行政分野は地方分権が相当遅れている。地方自治法で定める関与に加えて、地方教育行政法で地方自治法にはない「指導」や調査権の拡大などを定めているためだが、地方自治法第1条の2の趣旨に反しているとの批判がある。市町村教育委員会の不祥事は、ある意味、国や都道府県の「指示待ち」状態を生んでしまった現行システムに根本的な要因があると考えられる。 文部科学大臣は都道府県委員会又は市町村委員会相互の間の、都道府県委員会は市町村委員会相互の間の連絡調整を図り、並びに教育委員会は、相互の間の連絡を密にし、及び文部科学大臣又は他の教育委員会と協力し、教職員の適正な配置と円滑な交流及び教職員の勤務能率の増進を図り、もつてそれぞれその所掌する教育に関する事務の適正な執行と管理に努めなければならない(地行法51条)。 文部科学大臣は都道府県又は市町村に対し、都道府県委員会は市町村に対し、都道府県又は市町村の教育に関する事務の適正な処理を図るため、必要な指導、助言又は援助を行うことができる(地行法48条1項)。また、文部科学大臣は、都道府県委員会に対し、市町村に対する指導、助言又は援助に関し、必要な指示をすることができる(同条3項)。都道府県知事又は都道府県委員会は文部科学大臣に対し、市町村長又は市町村委員会は文部科学大臣又は都道府県委員会に対し、教育に関する事務の処理について必要な指導、助言又は援助を求めることができる(同条4項)。 文部科学大臣は、都道府県委員会又は市町村委員会の教育に関する事務の管理及び執行が法令の規定に違反するものがある場合又は当該事務の管理及び執行を怠るものがある場合において、児童、生徒等の教育を受ける機会が妨げられていることその他の教育を受ける権利が侵害されていることが明らかであるとして是正を要求することができる(地行法49条)。 文部科学大臣は、都道府県委員会又は市町村委員会の教育に関する事務の管理及び執行が法令の規定に違反するものがある場合又は当該事務の管理及び執行を怠るものがある場合において、児童、生徒等の生命又は身体の保護のため、緊急の必要があるときは、当該教育委員会に対し、当該違反を是正し、又は当該怠る事務の管理及び執行を改めるべきことを指示することができる(地行法50条本文)。ただし、この指示は、他の措置によつては、その是正を図ることが困難である場合に限られる(同条ただし書き)。 文部科学大臣又は都道府県委員会は、指導、助言、援助、協力などを行うため必要があるときは、地方公共団体の長又は教育委員会が管理し、及び執行する教育に関する事務について、必要な調査や調査指示を行うことができる(地行法53条1項、2項)。また、文部科学大臣は地方公共団体の長又は教育委員会に対し、都道府県委員会は市町村長又は市町村委員会に対し、それぞれ都道府県又は市町村の区域内の教育に関する事務に関し、必要な調査、統計その他の資料又は報告の提出を求めることができる(地行法54条2項)。
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