文体・作風
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/06 00:39 UTC 版)
『二流の人』には、もともと安吾のなかで蠢いていた想像力と戯作的な文体が表現されており、講談や大衆文学の語り口がごく自然なかたちで、その文体と思考のなかを横切っていると上野俊哉は解説し、そういった「講談や大衆文学の色合いの影響が残る文体」を駆使しながら、日本の戦国時代の英雄たちを「マンガチック」に描いた作風は「ライトノベル的」だとしている。また、その武将たちの「キャラクター」の描き方は、隆慶一郎の小説や、これを原作とした原哲夫の漫画を思わせると上野は説明している。
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文体・作風
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/16 06:56 UTC 版)
「アンドレイ・マキーヌ」の記事における「文体・作風」の解説
マキーヌの文体はしばしば詩的・新古典主義的と評される。『フランスの遺言書』発表の後も、主に旧ソ連の過酷な状況を生き抜いた人々を描いた作品を発表しているが、西欧から見ると「不可視の巨大な強制収容所のように映るロシアでも、実際にこの非人間的で残虐な体制のもとで生きた人々がいる」、「この残虐さを超えて生きる人間の偉大さ」を描こうとしたと語っている。 彼は影響を受けた作家について、ヴォルテール的・啓蒙主義的な哲学思想やアフォリズム的な表現より、自然描写や感情表現を重視しているとして、イヴァン・ブーニン、ドストエフスキー、チェーホフ、トルストイらロシアの作家のほか、フランスの作家としては、プルースト、ピエール・ロティ、シャトーブリアンを挙げている。特にシャトーブリアンの小説やロティのあまり知られていない小説『少年の物語』はプルーストを先取りする作品であると評価している。
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文体・作風
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/23 17:16 UTC 版)
堀辰雄の文体にはフランス文学のエスプリ・ヌーヴォーの作家たちの影響があるが、堀は、ジャン・コクトー、レイモン・ラディゲ、アンドレ・ジッドなどのフランス心理小説の影響のもとに「意識の流れ」の手法を用いて創作を行なった作家であり、処女作の『ルウベンスの偽画』はその先行的なもので、リアリズムを乗り越えようとする新しい新心理主義の作風となっていると池田博昭は解説している。 堀はアンドレ・ジッドの『贋金づくり』の言葉を引用しながら、次のように述べている。 小説を小説であらしめるためには、たださういふ詩との混合を避けるばかりでなく、「小説に特有でないあらゆる要素を、小説から取除く」(ジイド)必要がある。一例をあげると、筋とか、事件とか、風景などは、すでにシネマの領分に入つてゐる。それらのすべてはシネマに任せてしまふがよい。 — 堀辰雄「小説の危機」
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