文体・自己改造とは? わかりやすく解説

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文体・自己改造

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/09 23:40 UTC 版)

金閣寺 (小説)」の記事における「文体・自己改造」の解説

文体硬質理知的なものとなっており、三島は『金閣寺連載中自身文体変遷について、森鷗外の〈清澄な知的文体〉、〈感受性の一トかけらもなく、あるひはそれが完全に抑圧されて〉いる文体模写することで、〈自分改造しようと試みた〉とし、〈感性的なものから知的なものへ、女性的なものから男性的なものへ〉、〈個性的であるよりも普遍的〉なものを目指したと語り、〈作家にとつての文体は、作家ザインを現はすものではなく、常にゾルレンを現はすものだ〉とし、自らが在るべきだと思う在り方ゾルレン)を示すのが文体であり、その〈知的努力〉が主題関わり持てるとしている。 『金閣寺』の基本構造は、主人公自身過去振り返って告白するという設定で、これは『仮面の告白』の構造似ていることがよく指摘されている。三島は『金閣寺刊行から約2年半後、〈やつと私は、自分気質を完全に利用して、それを思想に晶化させようとする試みに安心して戻り、それは曲がりなりにも成功して〉と述べており、『仮面の告白』同様、『金閣寺でも、自らのこれまでの気質や、実人生相反する美学克服し次の段階志向していた作品見られている。 三島は『金閣寺』について、〈美という固定観念追い詰められた男というのを、ぼくはあの中で芸術家象徴みたいなつもりで書いた〉と語りまた、金閣寺』の映画化作品炎上』に主演した市川雷蔵へのコメントの中では、自作賭けた思い次のように述べている。 君の演技に、今まで映画でしか接することのなかつた私であるが、「炎上」の君には全く感心した市川崑監督としても、すばらし仕事であつたが、君の主役も、リアルな意味で、他の人のこの役は考へられぬところまで行つていた。ああいふ孤独感は、なかなか出せないものだが、君はあの役に、君の人生から汲み上げたあらゆるものを注ぎ込んだのであらう。私もあの原作に「金閣寺」の主人公に、やはり自分人生から汲み上げたあらゆるものを注ぎ込んだ。 — 三島由紀夫雷蔵丈のこと」

※この「文体・自己改造」の解説は、「金閣寺 (小説)」の解説の一部です。
「文体・自己改造」を含む「金閣寺 (小説)」の記事については、「金閣寺 (小説)」の概要を参照ください。

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