指導者の問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/11 05:43 UTC 版)
学童スポーツ共通の問題として、勝敗に固執するあまり「スポーツを通じた心身の健全育成」の目的を大きく逸脱した指導者も珍しくない。およそ叱咤激励とはかけ離れた罵声を浴びせるなど、学童スポーツの大会会場に出向けばしばしば目にする光景である。また、学童期の心身の事や、ケガ・熱中症などに関かわる知識不足及び不注意のために、選手に故障を多発させたり、あるいは最悪の場合には死亡事故を招く例もあり憂慮されている。ただし、日本体育協会もこの事は大きく問題にしているようで、スポーツ少年団認定指導員養成講座では、テキストの6割以上ものページをこれらの事に割いて注意を促している。だが、スポーツ少年団組織にて活動していないチームの指導者には、この講座の受講義務はなく、前述のような問題が発生する場合がある。 現在、少年野球の全ての指導者に対して、指導者としての公的なライセンスの取得、あるいは指導者講習の受講が義務づけられているわけではない。指導者向けライセンス制度のあるサッカーやバスケットボールといった競技、指導者向け講習会を実施する柔道などの武道に比べると、少年野球の指導者資格制度は十分に機能していない。 また、練習中の事故については、過去の裁判例において、練習及び試合中に発生した事故について明らかな過失が認められた場合には指導者責任が問われたケースがあり、たとえ「どんな事故が起っても絶対に訴えません。」等という事前の免責同意書を少年達の親からとっていたとしても、このような同意書は民事第九〇条の公序良俗違反で無効とされている。 悪質な指導者の言動の例 ミスをした選手に、「何年やってんだよ!」 チャンスで凡退した選手に「あれほどライナーを打てといっただろう!」 「教えなくても出来て当然」といった考えを持っており、出来ない選手に罵声、怒声を浴びせる。 結果が全てで、過程の評価を下さず、選手に失敗から学ばせようという姿勢が欠落している。 「点が入ったのはお前のせいだ」、「負けたのはお前のせいだ」といった暴言を吐き、ミスをした選手を起用したのは指導者であり、指導したのもまた自身であるという視点が欠落している。 挨拶や礼儀、道具の整理整頓といった事は指導しない。 「お前しかピッチャーはいない。イタイだ、カユイだ言うな!」などと選手の健康への配慮をしない。 短い時間の間に同じ失敗を繰り返している選手に対して、叱ったり諭したりする事はなく最終的に出来た時にのみ褒める(この弊害は指導者・保護者に共通する問題に記述)。
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