指導者・保護者に共通する問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/11 05:43 UTC 版)
「少年野球」の記事における「指導者・保護者に共通する問題」の解説
ここでは主に、指導者・保護者を問わず子供を取り巻く周囲の大人の問題に言及する。 競技力向上を望んではいるものの、基本的なスキャモンの成長発達曲線の原則を無視しているか存在すら知らない。このことは合理的な練習が出来ず競技力向上が望めないばかりかその将来にも悪影響があるとされる。例えば本来学童期においては技術練習などの「動き」を習得することが得意な年齢であり、持久力や筋力の向上には適さない年代であるにもかかわらず効果の薄い「走りこみ」などと称する持久走に多くの時間を割いたり、腕立て伏せなどの筋力トレーニングを課したりする(学童期に行う筋力トレは最終身長に影響があるとされる )。 学童期においては多くのスポーツに関ることが有益で、学童期から一つのスポーツに固執したり専門化に執着するとバーンアウトの可能性が高まったり、将来の技術矯正の幅が狭まるとされるにもかかわらず、他のスポーツを並行して行う子の親に対して「あれこれさせるのは子供がかわいそう」「他のスポーツをすると野球の上達が遅れる」などといった、大人と学童期との生理的・精神的・身体的な違いに対する無理解からくると思われる言動を行う。 褒め過ぎることの弊害に対する無理解があると思われる大人も存在する。集中力を発揮すれば成功する確率の高いプレーにおいて、短時間に同様な失敗を繰り返している選手に対して叱ることなく成功した時にのみ褒めるように指導した場合には、その選手は適当なストレスを感じにくいために練習中に注意散漫になったり、試合でそのプレー中に集中力が発揮しにくくミスをする傾向が高いとされる上、やがて褒められることに慣れてしまいモチベーションの向上や維持といった大人が期待するような効果が徐々に得られなくなるといった悪影響や、褒められることをモチベーションとしていた子供は早期にバーンアウトしやすい傾向があるという。 以上の事は日本体育協会以外でも、著作の題材になるなど問題視されており、さらなる啓蒙活動が必要と言った意見もある。近年は少年野球の競技人口は減少傾向にあり、2018年には筒香嘉智が自主トレ中に少年野球の現状を訴える異例の会見を行っている。
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