成熟メッセンジャーRNAとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > 成熟メッセンジャーRNAの意味・解説 

成熟メッセンジャーRNA

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/22 09:56 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動

成熟メッセンジャーRNA(せいじゅくメッセンジャーアールエヌエー、: mature messenger RNA成熟mRNA)は、真核生物RNA転写産物で、スプライシングなどの転写後修飾を処理を終えて、タンパク質合成の過程で翻訳される準備が整ったものである。転写直後の真核生物のRNA(前駆体メッセンジャーRNA英語版という)とは異なり、成熟mRNAはエクソンのみで構成されて、すべてのイントロンが除去されている[1]

成熟mRNAは、成熟転写産物(: mature transcript)、成熟RNA(: mature RNA)、成熟mRNA(: mature mRNA)と呼ばれることもある。

成熟mRNA分子の生成は、3つのステップで行われる[2][3]

  1. キャッピングは、7-メチルグアノシン残基が一次転写産物の5'末端に結合する。これはGTPまたは5'キャップと呼ばれ、安定化とリボソームの付着点として使用される[1]
  2. ポリアデニル化では、転写後に核ポリメラーゼによって約200個のアデニル酸残基からなるポリアデノシンテールが付加される。これはポリAテール(ポリA尾部)と呼ばれ、mRNAが細胞核から出てリボソームを見つけることができるように安定化と誘導に使用される[4]
  3. RNAスプライシングは、非コードRNAのイントロンを除去してエクソンを残し、エクソンがスプライシングされて結合し、最終的なメッセンジャーRNA(mRNA)を形成する[2][5]

脚注

  1. ^ a b Alberts, Bruce (2015). Molecular biology of the cell (Sixth ed.). Abingdon, UK: Garland Science, Taylor and Francis Group. ISBN 978-0815344643 
  2. ^ a b Toole, Glenn; Toole, Susan (2015). AQA biology A level. Student book (Second ed.). Great Clarendon Street, Oxford, OX2 6DP, UK: Oxford University Press. ISBN 9780198351771 
  3. ^ O'Connor, Clare (2010). Essentials of Cell Biology. NPG Education: Cambridge, MA. https://www.nature.com/scitable/ebooks/essentials-of-cell-biology-14749010/ 2021年11月11日閲覧。 
  4. ^ Eukaryotic pre-mRNA processing”. Khan Academy. 2021年11月11日閲覧。
  5. ^ Jo, Bong-Seok; Choi, Sun Shim (2015). “Introns: The Functional Benefits of Introns in Genomes”. Genomics & Informatics 13 (4): 112–8. doi:10.5808/GI.2015.13.4.112. PMC 4742320. PMID 26865841. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4742320/. 

Template:Protein biosynthesis




英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  
  •  成熟メッセンジャーRNAのページへのリンク

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「成熟メッセンジャーRNA」の関連用語

成熟メッセンジャーRNAのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



成熟メッセンジャーRNAのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの成熟メッセンジャーRNA (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS