微積分・関数の厳密化とは? わかりやすく解説

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微積分・関数の厳密化

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/13 12:00 UTC 版)

解析学」の記事における「微積分・関数の厳密化」の解説

また関数概念近代化このころ始まったオイラー著書見られるように、関数とはこれまで解析的式、すなわち具体的な式で書き表せるものとの認識であったが、先に上げたフーリエ級数に関するディリクレ論文 によって関数も値の対応としての認識変革してゆくこととなる。厳密に対応として認識せざるをえなくなったのはこのフーリエ級数研究よるものである。 フーリエ級数研究発端となり、今まで直感任せて推進されてきた微積分などの計算一般関数に対しても本当にちゃんと成り立つのか疑問向けられたため、その収束極限対す厳密な理論が必要となってきた。今まで無限小などという実体不明な量にたよりきっていたが、コーシーボルツァーノらによって極限連続微分積分可能性についても厳密に論じられのである例えオイラーまでは不定積分微分逆算であるとの認識であったが、コーシーはまず定積分定義したのち、不定積分d d xa x f ( s ) d s = f ( x ) {\displaystyle {\frac {d}{dx}}\int _{a}^{x}f(s)ds=f(x)} のような定理として導いたという意味で革命的であったしかしながらコーシーですら連続一様連続各点収束一様収束といった概念区別がつかず、こういった基本概念基礎付けられその重要性認識されるにはワイエルシュトラス登場を待たねばならなかった。 リーマン1854年フーリエ級数研究においてコーシー積分可能の概念拡張し一部不連続関数をも積分可能とするリーマン積分導入したが、これですら不完全であり、実変数関数の完全な積分理論はすでに20世紀入ってからの、1902年ルベーグ積分登場よるものである。 収束積分研究もとより微分に関してもその厳密化が図られることとなった18世紀以前関数の微分可能性当然のこととされたが、コーシーらの連続に関する厳密な概念導入によってその基礎揺るがされた。全ての連続関数本当に微分可能なのかが疑われることとなったのである19世紀前半までは「全ての連続関数有限個の点を除き微分可能である」という定理(アンペール定理)が無条件成立するであろうという「神話」が信仰されていたのであるが、これが全くの嘘であると認識されるには長い時間が必要であった。これがようやく幻想であると認識されるのはワイエルシュトラスによって、連続であるが微分できない関数という反例1875年公表されてからであった

※この「微積分・関数の厳密化」の解説は、「解析学」の解説の一部です。
「微積分・関数の厳密化」を含む「解析学」の記事については、「解析学」の概要を参照ください。

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