影響についての評価
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/07 14:14 UTC 版)
「ケンブリッジ・アナリティカ」の記事における「影響についての評価」の解説
アメリカの政治学者の多くは、ケンブリッジ・アナリティカが「マイクロターゲッティング (microtargetting)」と呼称する手法の投票者に対する効果について、非常に懐疑的である。この手法「マイクロターゲッティング」においては、特定のグループに分類された人々の行動や興味・関心、意見等をデータ解析によって予見し、そこから彼らにとって最も効果的な反応を引き出すメッセージが発信される。これに対して政治学者たちは、このようなデジタルデータへのアクセスによって得られる結果は、公表されている投票者のデータから抽出される情報以上に有意味的なものではなく、また特に投票者の意向が移り変わってゆく場合に、限定的な価値しか持たないと反論する。従って、個人の類型を基にして政治的な価値観を推測するのは困難であり、こういった個人の類型を基に投票者に送信されるメッセージは、得てして標的を誤ることになりがちであるという。ダートマス大学のブレンダン・ナイアン教授(政治学)の議論によれば、多くの有権者は既にある政党や候補者の固定的な支持者である以上、その意向を変えるというのはきわめて困難である。結果的には、ただ単に固定的な支持層を結集するほうがはるかに容易であるとする。選挙運動におけるマイクロターゲッティングに関する著書があるタフツ大学のアイタン・ハーシュ准教授(政治学)は、「サイコグラフィックス(psychographics)等の(ケンブリッジ・アナリティカによる、あるいはケンブリッジ・アナリティカについての)あらゆる主張は、たわごとに過ぎない」と、このような手法やその効果に対する強い疑念を顕わにしている。 2017年にケンブリッジ・アナリティカは、2.2億人の合衆国の心理的プロファイルは5000の分かれたデータ・セットに基づいていたことを主張した。2017年3月にはニューヨーク・タイムズはケンブリッジ・アナリティカが自身の能力を誇張したと報じ、「ケンブリッジ・アナリティカの幹部は現在、同社がトランプの選挙運動において決してサイコ‐グラフィックスを使用したことは一度もないと認めている。」とも報じた。トランプの支持者らもまた運動での「たいしたことのない」そして会社の影響がなんらのサイコグラフィックスを含まないことはないものとして描く、ケンブリッジ・アナリティカの役割を議論した。 ニュー・ヨーク・タイムズはケンブリッジ・アナリティカのサイコグラフィック・モデルがテッド・クルーズの支持者のように識別するのを失敗した後にクルーズの大統領選挙の運動がそれを使うことを止めたことも報じた。 アメリカ大統領選挙やイギリスEU離脱国民投票などへの広がるデータ会社の心理作戦によって決定されたことが議論された。それはまな板のの水のように流れ易い投票有権者による二つの選挙でのこのような技術が可能性としてある疑いを越える。3つの州の80,000の投票によって大統領選の運動は選挙人の大学の教職員や学生に勝利し、2パーセントのイギリスの投票者たちによってEUの国民投票は決定した。
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