当初の前提
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/10 21:34 UTC 版)
「ダラス (テレビドラマ)」の記事における「当初の前提」の解説
1978年4月2日、CBSで全5話のミニシリーズが開始した。当初あくまでパイロット版としての放送で、低視聴率で知られる日曜夜に放送されていたこともあり、プロデューサーもテレビ局も5話以上続くと思っておらず、延長について考えていなかった。しかしレギュラー・シリーズに移行するに充分な人気を獲得し、1978年9月23日から1991年5月3日、シーズンを通して放送することとなった。当初パイロット版とされていた5話が、その後「シーズン1」とみなされることとなり、最終的に計14シーズン制作された。 富、性、陰謀、対立、権力闘争が描かれていることで知られる。シリーズを通して大前提は長年に亘るユーイング家とバーンズ家の対立関係であり、シーズン1でバーンズ家の娘パメラ(ヴィクトリア・プリンシパル)とユーイング家の末の息子ボビー(パトリック・ダフィー)が駆け落ちして結婚したことで対立が深まる。ほとんどテキサス州ダラス郡で撮影され、架空のブラドック郡のサウスフォーク・レンチが舞台となっている。 1930年代、石油採掘者のジョン・ロス(ジョック)・ユーイング(ジム・デイヴィス)は短期間仕事上のパートナーであったウィラード(ディガー)・バーンズ(デヴィッド・ウェイン/キーナン・ウィン)から株を騙し取ったとされており、さらにはディガーの最愛の女性エレノア(ミス・エリ―)・サウスワース(バーバラ・ベル・ゲデス/ドナ・リード)を略奪して結婚した。ジョックと違い、ミス・エリ―は長年の牧場主の家系の出身で土地と牛をとても愛している。ジョックとミス・エリ―の結婚後、サウスワース家の牧場はユーイング家の邸宅としてサウスフォークと名付けられ、そこで3人息子のJ.R.(ラリー・ハグマン)、ゲイリー(デイヴィッド・アクロイド/テッド・シャックルフォード)、ボビーを育てる。 J.R.は元ミス・テキサスのスー・エレン・シェパード(リンダ・グレイ)と結婚しているが不道徳であるなどうまくいっておらず、J.R.と違って道徳的で実直なボビーと度々喧嘩になる。次男のゲイリーはミス・エリ―のお気に入りであったが、幼少期からジョックとJ.R.から弱虫扱いされるなど不仲であった。17歳でゲイリーは15歳のウェイトレスのヴァリーン・クレメンツ(ジョーン・ヴァン・アーク)と秘密裏に結婚し、ユーイング家の初孫ルーシー(シャーリーン・ティルトン)が生まれ、サウスフォークに戻って住もうとする。ジョックはヴァリーンを気に入り、未熟なゲイリーたちを支援するが、J.R.はゲイリーに悪い取引を持ちかけ、アルコール依存症になるまで追い詰め、ゲイリーはサウスフォークにいられなくなる。ゲイリーがいなくなり、ヴァリーンもJ.R.から迫害されるために出ていき、ルーシーは祖父母のジョックとミス・エリ―により育てられる。 シーズン1第1話において、10代のルーシーが牧場作業長のレイ・クレブス(スティーヴ・カネリー)と関係を持つ。その後シーズン4において、レイはルーシーの叔父であることが判明する。レイは、第二次世界大戦中のジョックの浮気による私生児であったのである。カネリーは小さくつまらない役に不満で降板を考えていた。ハグマンはデイヴィスとカネリーの顔が似ているとして、脚本家らにいかにしてレイが三兄弟と腹違いの兄弟となれるかを提示し出番を増やした。レイと実の姪であったルーシーとの情事に関して、カネリーはダイナ・ショアのトークショーで「忘れ去られてほしい」と語った。 かつてレイはパメラと交際していたが、パメラはボビーと深く恋に落ち、シーズン1ではパメラとボビーが結婚してサウスフォーク・レンチに到着する所から始まり、ユーイング家は衝撃を受ける。バーンズ家を憎むJ.R.はパメラが同居することが不愉快で、度々パメラとボビーの結婚を壊そうとする。パメラの兄クリフ(ケン・カーチヴァル)は父ディガーと同様にユーイング家を憎んでおり、復讐の意志を継ぐ。クリフにとって、パメラとボビーの結婚に関してはJ.R.と同意見である。 ほとんどのシーズンが視聴者の興味を惹き付けておくためにクリフハンガーで終わっていた。特筆すべきはシーズン3の最終回「A House Divided」で、「Who shot J.R.?」(誰がJ.R.を撃ったのか?)という話題の始まりとなった。これにより、このエピソードは「TVガイド」誌の「トップ100エピソード」の第69位にランクインした。他のシーズン最終回は、身元不明の女性の死体がサウスフォークのプールに浮かぶシーズン4、家が大火事となるシーズン6、ボビーが亡くなるシーズン8、その後の蘇生のシーズン9、J.R.の自殺容疑のシーズン14などである。
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