企業の業績見通しと繰延税金資産
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/10 03:42 UTC 版)
「繰延税金資産」の記事における「企業の業績見通しと繰延税金資産」の解説
繰延税金資産は先述の通り、将来発生する税金を前払いする意味を持つ費用性資産であり、将来繰延税金資産を費用化した場合に耐えうるだけの税引前当期純利益を獲得できると見込まれる場合のみ、計上が認められる。したがって、繰延税金資産計上後、経営環境の悪化等で当初見込まれた利益が確保できない場合には、当初の前提が崩れ、バランスシート上実体のない資産が計上されているとみなされかねない。 このような業績見通し悪化等に伴い、繰延税金資産の取り崩しを迫られる場合があるが、これは同時に損益計算書上の費用の増加を意味する。このため、業績見通しの修正等により意図せざる取り崩しに迫られ、かつその額が大きい場合には、当期業績が堅調にもかかわらず、当期最終赤字へ転落する可能性もある。 企業を取り巻く状況を全て予測することは難しいが、繰延税金資産計上の目的や健全な運用(意図せざる取り崩しの防止等)を達成するためにも、十分な情報収集に基づく収支予測と綿密なスケジューリングの下で計上することが望ましいといえる。
※この「企業の業績見通しと繰延税金資産」の解説は、「繰延税金資産」の解説の一部です。
「企業の業績見通しと繰延税金資産」を含む「繰延税金資産」の記事については、「繰延税金資産」の概要を参照ください。
- 企業の業績見通しと繰延税金資産のページへのリンク