当初の予測
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 05:44 UTC 版)
「2010年の猛暑 (日本)」の記事における「当初の予測」の解説
意外なことに春の時点では、気象庁もこの猛暑を予測していなかった。むしろ、以下のような理由から、冷夏になるのではないかとの声も少なくなかった。 太陽黒点が記録的に少なかったこと 2009年に入って、太陽黒点が記録的に少なくなり、1913年以来の極小になった。2010年に入っても、黒点が少なかった。気温には変化が後れて現れるので、地球全体の気温が下がることによって、日本の夏の気温を押し下げられると考えられていた。 エルニーニョ現象が発生していたこと エルニーニョ現象が起きている夏は冷夏になりやすいとされる。前年の冷夏もこれが一つの要因と見られている。実際には、エルニーニョ現象は2010年春に終っていたが、海に囲まれた日本では、その影響が後まで残りやすいので、このことも冷夏になるという予測の根拠として取り上げられていた。 インド洋熱帯域の水温が高かったこと インド洋の赤道付近の水温が高い年は、北日本で冷夏になりやすいことが知られている。実際に、2009年12月から、インド洋の海水温が高い状態が続いていた。 アイスランドの火山(エイヤフィヤトラヨークトル山)が大噴火を起こしたこと 2010年4月から5月にかけてエイヤフィヤトラヨークトル山が大規模な噴火を起こし、多量の火山灰が放出され、その雲は大西洋北部から、西はシベリア中部まで及んだ(2010年のエイヤフィヤトラヨークトルの噴火)。それによって、北半球全体の気温が押し下げられ、日本も涼しくなるのではないかと考えられていた。実際に、1992年やその翌年の冷夏は、1991年6月にフィリピンのピナトゥボ山が噴火したことが、ひとつの要因とされている。このことは、冷夏になるという意見を大きく推していた。 3月下旬から5月にかけての低温と気温の変動 この年の3月下旬から5月にかけては、寒気の影響を受けたため、低温になり、日照時間も短く気温の変動も大きかった。この影響が夏まで続くのではないかとの声もあった。
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