建築設計・都市計画系
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大学卒業直後はアントニン・レーモンド(Antonin Raymond)に、そのあと大学院で丹下健三に師事するという、恵まれた環境で建築を学んでいる。しかし、この対照的な師たちの設計プロセスが、いずれも感覚的な試行錯誤の繰り返しであったことに、次第に疑問を持つようになった。その後研修生としてカナダに渡航し、修了後はトロント大学で講師を務めている。 当時のカナダでは異なる文化をもつ地域から来た建築家たちの間で、文化人類学的アプローチによる新しいデザインの可能性が活発に議論されていた。その論理性に注目した西原は、トロント大学で、「居住形式(pattern)の違いによるデザイン形(form)の類型」をテーマとするゼミに参加している。このときのレポートを帰国後に再編集したものが、「Patterns for living Japanese Houses」という本になった。これが西原の最初の本になったのだが、海外の大学生用の出版であったために英文版しかない。 文化人類学的な興味は、やがて更に論理的思考の強いシステム・デザインに進んでいく。結果として建築の作品から、きわだった造形的な特徴が消えて、空間の相互関係の重視、公共や私的な場所での行動の制御、屋内環境の自然および人工制御、最適化シミュレーションなどを重視する傾向が強くなり、やがて空間の全体をシステム・デザイン的に構成するに至る。建築作品は住宅団地から教育研修、スポーツ施設に至るまで、多方面にまたがっているが、サステナビリティ(環境にやさしい持続可能性)を重視した高品位な居住環境をめざした作品が多い。 へミスフェア68日本館(1968) St.Antonio USA/JETRO 国際デンタル・アカデミー(1974) 渋谷/IDA 横手市体育館(1980) 横手市 朝倉小学校(1981) 横手市 佐原市民センター(1982) 佐原市 健和ビル(1989) 荒川クリニック 城ヶ崎ヴィレッジ(1991) 伊豆/野村投信 小港団地(1992) 横浜市/住宅都市整備公団 東京臨港地区再整備構想(高山英華委員会) 瀬戸内海人工島計画のFSなど
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