小型ノートパソコンの登場
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/01 10:16 UTC 版)
「dynabook (ブランド)」の記事における「小型ノートパソコンの登場」の解説
ダイナブック初代のJ-3100SSは、20万円を切る低価格とそれまでのラップトップPCより小型軽量な筐体で注目を集め、「ブック型PC」(後のノート型PC)という新ジャンルを普及させた。 アーキテクチャ的にはそれまでのラップトップ型J-3100シリーズ同様にIBM PC互換で、独自の日本語表示機能(画面解像度は640x400 ピクセル、80桁x25行)を追加したものであり、英語モードではIBM PC用ソフトウェアが実行できた。いわゆるPC/AT互換機ベースであるが、初代は正確にはIBM PC XTベースで、グラフィック(英語モード)はCGA上位互換、内部バスはXTバス(8ビットISA)であった。標準で1.5MBのRAMと、日本語入力システムのATOK7を収めたROMを搭載していた。ハードディスクを持たないとはいえ、日本語環境とテキストエディタ、通信ソフト、コンパイラなどを外部メディアに頼る事なく携帯できるという、ノートパソコンに求められるスペックを十分に満たしたバランスのとれたマシンであった。 サイズの縮小に努力が払われ、フロッピーディスクドライブは25.4mmの厚さがあった従来品を、18mmまで薄くすることが目標とされ、また、キーボード、液晶画面、その他筐体内の密度の高い実装について試行錯誤が繰り返された。 1991年に東芝はOADGに加盟し、ダイナブックも独自の日本語表示機能から、純粋なPC/AT互換機(いわゆるDOS/V)に移行し、キーボード配列もOADG準拠の配列に移行した。ノートPCに必要な部品の多くを自社またはグループ会社で開発生産しており、新開発の部品を用いたインパクトある製品を他社に先駆けて発売出来ることが強みであった。1990年代後半の機種では、自社開発によるBIOS、チップセットをはじめ、メインメモリー、ハードディスク、光学ディスクドライブ、液晶パネル、バッテリーのセルなどの部品が東芝またはグループ会社の製品で構成されている製品もある。ノートPCに最適化したチップセットの開発で培った電力制御技術を活かして、インテル、マイクロソフトと共に電源管理の規格ACPIの策定にも当初から参加した。
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