定尺レール
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/26 21:38 UTC 版)
レールの標準の長さは、日本の場合、1本25 mで、定尺レールと呼ぶ。線路では、これを、継ぎ目ではレール同士を突合せて突合せ継目とし継目板で繋いで連続させて用いている。レールの継ぎ目を繋ぐ継目板には、断面形状により短冊型・L型・I型が用いられており、I型はN型レールで使用されている。また、レールの継ぎ目の間では、適当な隙間を継目板の中間で設定している。これは、レールが気温や日射の変化に応じて伸縮するためであり、レール自身の温度は、気温の他に直射日光が当たる所では相当高くなり、その温度差は60 - 80 ℃となる。そのため、定尺レールでは、40 ℃において1 mm、0 ℃において13 mm程度としている。車輪がレールの継ぎ目を通過する際に発生するガタンゴトンという音はジョイント音と呼ばれる。 継ぎ目構造の望ましい条件としては次のことが上げられる。 垂直及び横の荷重に対してレールと同等の強度を有する 温度変化での伸縮に対して、最高温度でレールが座屈せず、最低温度において継目ボルトに過大な力がかからない 取り付け取り外しが容易である 継目板とレールを締結しているボルト・ナットには、レールの温度による伸縮に対して支障が起きない条件が要求される緊締力で締結されており、ナットの緩みを防止するため、ナットと継目板の間にロックナットワッシャーを挿入している。また、レールは、電気車による電気運転において使用された動力電流を変電所に戻す帰線や、軌道回路により使用される電流を流すための電流回路としても利用されるため、継目板とレールとの間の接触面では錆などで電気抵抗が大きくなることを防ぐため、レールの継ぎ目の間にレールボンドや信号ボンドを繋いでおり、ハンダ合金によりレールに溶着されている。また軌道回路の境界などで絶縁が必要な場合には、継目板とレールの間に絶縁プレートを挟み、かつ、ボルトと継目板の間に絶縁チューブを挿入して軌道回路のための絶縁を確保している。これを絶縁継目という。
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