完遂者の内容
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/25 03:51 UTC 版)
怪我で組手自体が続行不可能になることもあり、完遂しても身体へのダメージ(脱水症状・全身打撲・肝機能障害・腎不全)が残る。達成した松井章圭・増田章・八巻建志・数見肇は入院をした。とりわけ増田と八巻は急性腎不全で人工透析の危機に陥り、両名とも医者の薦める透析を拒み、後に自然治癒で回復した。 挑戦者は極限状況に陥ることから、闘争本能がより激しくなったり、意識朦朧となりやすい。松井は67人目で頭突きと道着をつかんでの膝蹴りを行い、増田は76人目で噛み付きをした。また、増田は99人目で金的攻撃を受け、苦しんだ。 コリンズの場合、大山は四国に滞在していたので、その場に立ち会っておらず、郷田勇三が仕切った。郷田は内心「泰彦師範(大山泰彦)が失敗してるから、絶対達成させない」と思いながら進行しており、実際コリンズは潰されかけていたという。しかし、30分おきに大山倍達が電話してきて「今、何人目だ? 必ず達成させろよ」と都度念を押された為、郷田は「対戦者に『71人目~80人目の対戦者は下段回し蹴りを使うな』『86人目~90人目までは突きだけにしろ』など使用する技を規制して進行し、100人目まで持たせた」と語っている。 三浦の相手には、盧山初雄(1人目)・添野義二・佐藤勝昭・大石代悟・東谷巧といったその当時の強豪が選ばれ、25名が4回ずつ対戦するという形だった。 松井や三瓶の対戦者には、黒帯以外の者(色帯)が多数含まれていた。三瓶は2回目の挑戦で、現役引退者としては初であり、当時最高齢(35歳)の達成者である。三瓶の百人組手については、約1時間の休憩を2回取り、その間に立会い責任者である大山倍達が途中で退室してしまい無効ではないかという意見もある。また、松井の場合、映画撮影で特設スタジオにて実施だったため、下段禁止令が出されていたり、「達成させてあげよう、という気持ちで戦ってください」との申し入れが対戦者にあったという。 八巻とフィリォは同一対戦者であった。八巻が真っ向勝負で組手を行っていたの対し、フィリォはリーチを生かして、左手を伸ばし間合い をとり、カウンターの横蹴り、足掛け下段回し蹴り、ブラジリアンキックを使っていた。セコンドについたアデミール・ダ・コスタが「技をちらせ」「間合いをとれ」とアドバイスし続けたのも良かった。フィリォは終了後、それまでの達成者が病院で精密検査を受けたのに対して「大丈夫。問題ない」と言い、病院へは行かなかった。なお、フィリォは総本部での百人組手のシミュレーションを兼ねて、1か月前の2月5日にブラジル支部で既に百人組手(1人1分30秒)を行い、2時間45分で達成していた。近年では、2017年に纐纈卓真が挑戦。軽度の上段蹴りや足掛け下段突き等を技ありと認めないなど、技あり・一本の裁定は、これまでの百人組手には見られないほど厳しいものであったが、一度の負けも無く完遂。日本人7人目かつ、史上最高齢(36歳)の達成者となった。
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