宇宙真理学会
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宗教法人宇宙真理学会(うちゅうしんりがっかい)は1982年(宗教法人認可は1983年)、田辺陽彩なる人物により香川県丸亀市原田町に設立された新宗教。当初は丸亀市内の平屋の貸事務所で活動し、田辺は執筆活動なども行っていた。1984年頃に同団体は朝日新聞社会部による取材を受けている。それによると、田辺はコンサルタント業で人から相談を受ける中で、宗教を立ち上げようと考えたのだという。この当時は田辺とその夫人、女性事務員3人で運営されていた。同団体は超能力の開発を行っていた。取材時、信者に取り付いた霊を払うなどの儀式を記者に見せたというが、これを見た当時の記者は「紙芝居を見ているようだ」と形容している。この取材の中で、田辺は将来は教義に相応しい広大な大殿堂を建てるのが夢だと語っている。 しかし1994年頃までに目立った活動がなくなり、同団体に信者はいなくなったという。本部は、後に香川県仲多度郡多度津町に移転された。1994年に小松食品に買収されたとみられ、以後宇宙真理学会は小松食品の経営者によるホテル事業に使われた。ホテル宿泊料金5500円のうち2000円が布施(喜捨)として計上されたり、損益の付け替えにより他の赤字の小松食品関連法人に収益の一部を帰属させていたりしていた。ホテルの敷地や小松食品の営業所には巨大な観音像を設置するといった光景がみられた。また、ホテルには「喜捨をお願いします」や「世界の恵まれない子供たちに手を差し伸べ、少しでも多くの幼い命を救うために」などと記されたプレートや寄付を募る張り紙、募金箱が設置されており、実際に月に200〜300円くらいの寄付も集まっていた。これらについて2009年の関東信越国税局の調査で2008年2月期までの7年間に約14億円の所得隠しを指摘され、法人税の青色申告承認取消処分、法人税の更正処分及び重加算税賦課決定処分並びに消費税等の更正処分及び重加算税賦課決定処分がなされ、追徴税額は約3億円に及んだ。その後、宇宙真理学会は「実際に国内の恵まれない子にお金を送っている。国税当局とは争う」として異議申し立てをしたが、東京地方裁判所は2012年9月4日にこれらの課税処分は適法という判決を下した。2015年9月に小松食品が破産し、ホテル経営が困難になったため宇宙真理学会は2017年7月20日、長野地方裁判所上田支部から破産手続きの開始決定を受けた。経営していたラブホテル等は、長野県、新潟県、岐阜県、群馬県、静岡県などに少なくとも23軒に及んでいた。
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