存在と用途
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/12 07:20 UTC 版)
多くの動物性、植物性油脂中に含まれる。最も豊富なの食品では、乳製品、肉、母乳、パーム油やヤシ油であり、パーム油の主な構成成分である。ラードやヘットなどに多く含まれる。特に木蝋中にグリセリドであるパルミチンとして含まれている化粧品や界面活性剤などによく用いられている。類似の化学物質に、イソパルミチン酸(2-ヘキシルデカン酸)があり、同様に化粧品などに応用されている。 パルミチン酸は細胞膜を作り、皮脂として分泌し、栄養の体内循環に必須で、人体において最も豊富な脂肪であり、脂肪酸全体の20-30%を占める。ヒトの皮膚から採取した汗腺や皮脂腺からの分泌物の脂肪酸の構成成分として、パルミチン酸が30-40%ともっとも多く含まれていた。 シャンプーなどの洗浄剤に入った界面活性剤(洗剤)は、肌の油分を落とすことで肌の硬さ、乾燥、バリア機能の低下、刺激や痒みを起こすことがあるが、ステアリン酸やパルミチン酸のような飽和長鎖脂肪酸を添加することで、脂肪酸が補充されバリア機能の改善に役立つ。 マルラオイルは、伝統的にアフリカ諸国で保湿に使われており、構成比率はオレイン酸69%とパルミチン酸約15%と主要な脂質になっており、マルラオイルの肌への塗布は、皮膚の水分含有量を増加させ保湿作用を示した。ラットで、飽和脂肪酸であるパルミチン酸とステアリン酸では起こらないが、不飽和脂肪酸であるオレイン酸とパルミトレイン酸では角化細胞のカルシウムの異常角化、うろこ状の皮膚を生じさせた。 食品添加物、化粧品としては抗酸化物質としてのビタミンの安定性を高めるために結合され、パルミチン酸レチノール、ビタミンC誘導体のような物質が存在する。
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