孔雀鎗金経箱
主名称: | 孔雀鎗金経箱 |
指定番号: | 2624 |
枝番: | 00 |
指定年月日: | 2005.06.09(平成17.06.09) |
国宝重文区分: | 重要文化財 |
部門・種別: | 工芸品 |
ト書: | 蓋裏に「延祐二年 棟梁弾正 杭州油局 橋金家造」の黒漆銘がある |
員数: | 1合 |
時代区分: | 元 |
年代: | 延祐2年(1315) |
検索年代: | |
解説文: | 本経箱は、福井県小浜市・羽賀寺に伝来したと伝える中国・元代鎗金経箱の遺例である。 わが国に伝世した元代鎗金経箱の作例は、本品を含め現在一〇件ほど(うち八件が重要文化財)が知られ、うち六件には銘文が記される。そのうち福岡・誓願寺蔵の重文・孔雀文沈金経箱と広島・光明坊所蔵の重文・孔雀創金経箱には本経箱と同じく「延祐二年/棟梁禅正/杭州油局/橋金家造」という黒漆銘がある。また、広島・浄土寺所蔵の重文・孔雀創金経箱には「延祐二年/明慶寺前/棟梁禅正/宋家造」の黒漆銘がある。さらに、福井・西福寺蔵の重文・孔雀鎗金経箱と京都・妙蓮寺蔵の重文・沈金箱には「明慶寺前/宋家造」の黒漆銘がある。 本品を含むこれら延祐二年在銘の鎗金経箱四件は、合口造りで蓋に大きく削面を取り塵居を設ける形態、法量、蓋表と長側面に双孔雀と短側面に双鸚鵡を施す文様の構成、彫りの浅い刀刻線による鎗金技法等においてきわめて近似した作風を示し、銘文にあるように同一時期に製作されたものと考えられる。また銘文の内容から、いずれも中国杭州の油局橋周辺や明慶寺門前に所在した金家や宋家と称する漆匠が棟梁禅正の監督下で製作した作品と考えられる。 本経箱は、すでに指定されている一連の経箱とともに、元代鎗金の実態を解明する上で重要な基準作の一例であり、繊細にして巧緻な鎗金技法を駆使した保存状態良好な中国元代漆芸の優品としても価値が高い。 |
孔雀鎗金経箱
主名称: | 孔雀鎗金経箱 |
指定番号: | 2543 |
枝番: | 00 |
指定年月日: | 1993.01.20(平成5.01.20) |
国宝重文区分: | 重要文化財 |
部門・種別: | 工芸品 |
ト書: | 蓋裏に「明慶寺前 宋家造」の黒漆銘がある |
員数: | 1合 |
時代区分: | 元 |
年代: | |
検索年代: | |
解説文: | 長方形、印籠蓋造りの箱で、表は総体黒漆地に各面とも線刻して金箔を押した鎗金【そうきん】の技法で文様が表されている。文様はいずれも中央に大きく菱花形を画し、内区には蓋甲・短側面が双鸚鵡文、長側面は双孔雀文とし、間地には雲霞を表している。外区はいずれも唐花文で埋めている。 なお短側面の一方に付く菊座の引手金物は当初の作と考えられるが、長側面の紐金物は舶載後わが国で付けられたものである。 内側は朱漆地で、蓋裏には「明慶寺前、宋家造」の黒漆銘がある。 同様の鎗金経箱中に「延祐二年、棟梁禅正、明慶寺前、宋家造」や「延祐二年、棟梁禅正、杭州油局橋、金家造」の銘が見られることによって、本件を含め一連の経箱が元の延祐二年(一三一五)頃、杭州の油局橋辺や明慶寺門前に所在した工房金家・宋家で製作されたことが明らかとなり、元代鎗金の実態を示す基準作例となっている。 なおこれらの鎗金作品は中世わが国に多く舶載され、わが国においても鎗金(沈金)が始められる基となった。 繊細・巧緻な鎗金技法を示す中国・元代漆芸品の典型的作例であり、その実態を解明する上での重要な一例として資料的にも価値高い(表紙解説参照)。 |
重要文化財のほかの用語一覧
工芸品: | 孔雀文磬 孔雀文磬 孔雀鎗金経箱 孔雀鎗金経箱 宋白地黒掻落牡丹文瓶 宋白地黒掻落竜文瓶 定窯柿釉金彩蝶牡丹文碗 |
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