大阪窯業セメントいぶき500形電気機関車とは? わかりやすく解説

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大阪窯業セメントいぶき500形電気機関車

(大阪セメントいぶき500形電気機関車 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/12 10:52 UTC 版)

大阪窯業セメントいぶき500形電気機関車
いぶき500形電気機関車(1999年10月17日、大井川鉄道千頭駅にて撮影)
基本情報
運用者 大阪セメント
大井川鐵道
三岐鉄道
製造所 日立製作所水戸工場
製造数 2両
投入先 伊吹工場専用線
大井川鐵道大井川本線
三岐鉄道三岐線
主要諸元
軸配置 B-B
軌間 1,067 mm
電気方式 直流1,500 V架空電車線方式
全長 12,600 mm
全幅 2,700 mm
全高 3,830 mm
運転整備重量 50.0 t
台車 組立台枠
動力伝達方式 1段歯車減速吊り掛け式
主電動機 HS277-Br-16形×4基
歯車比 16:76 (1:4.75)
制御方式 重連総括制御(三岐鉄道使用時)、抵抗制御、直並列2段組合せ制御
制御装置 電磁空気単位スイッチ式
制動装置 EL14A空気ブレーキ、手ブレーキ、発電ブレーキ
定格速度 23.8 km/h
定格出力 600 kW
定格引張力 9,000 kg
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大阪窯業セメントいぶき500形電気機関車(おおさかようぎょうセメントいぶき500がたでんききかんしゃ)は、かつて大阪窯業セメント(大阪セメントを経て現在の住友大阪セメント)が伊吹工場専用線で使用していた直流用電気機関車である。同専用線廃止後は大井川鉄道(現・大井川鐵道)に譲渡され、同社でED500形電気機関車となっている。

概要

いぶき5011956年昭和31年)1月15日日立製作所水戸工場で落成し、いぶき502が同年2月6日に同工場で落成した。50 t箱形機で、近江長岡駅から分岐していた伊吹工場専用線で使用されていた。形式名の「いぶき」は同専用線の名の由来になった伊吹山から取られたもので、車両中央に大阪セメントの「ライオン印」が掲げられていた。同線でのセメント輸送がトラックに切り替えられることとなり[1]、本形式は1999年平成11年)6月25日をもって運用を終了。同年10月に大井川鉄道へ譲渡された。同社へは同月5日から6日にかけて輸送され、翌7日新金谷車両区で構内試運転が行われた。同社で形式がED500形に改められた。

静態保存されていた当時のED502

いぶき501は2000年(平成12年)2月22日[2]ED501として竣工し、同月下旬に運用を開始。同年3月18日新金谷駅で行われた出発式で、本格的に運用を開始した[3]。同列車は客車3両編成(旧型客車+お座敷車+展望車の編成)で、「いぶき号運転開始 平成12年3月18日」と書かれたヘッドマークがED501に装着された。下り新金谷発千頭行き列車は単機で運行され、上り千頭発金谷行き列車はE103とのプッシュプルで運行された。また、同日には千頭駅構内でC10 8、いぶき502、E103の撮影会も開催された。

なお、本形式は大井川鉄道では補機専用機として導入されたため、自動列車停止装置 (ATS) は搭載されなかった。

2005年(平成17年)2月開港の中部国際空港埋立土砂輸送のため、2000年(平成12年)5月三岐鉄道へ転出することとなった。ED501は貸与、ED502は譲渡されることが決定され、同月18日に同社へ搬入された。重連総括制御装置[4]や三岐鉄道仕様のATSが搭載され、同年6月10日付で竣工した。翌7月三岐線で中部国際空港埋立土砂輸送の運用を開始し、2002年(平成14年)12月21日にその運用を終了した。

中部国際空港埋立土砂輸送終了後は、2003年(平成15年)2月7日から12日にかけて、最終運用が行われた。ED501は2003年(平成15年)3月に大井川鐵道(2000年〈平成12年〉10月に再編・改称)へ返却入線[5]した。一方、ED502は同年3月18日付で廃車となり、同日から西藤原駅構内で静態保存されていたが、2014年(平成26年)に保々車両区へ回送され、2015年(平成27年)5月までに解体された。

ED501については、2019年(令和元年)ごろから整備を受けていたが、諸事情により中断している。ただし、2022年令和4年)度中に再開される予定であったが、結局再開されずに放置されている。

脚注

  1. ^ 伊吹工場も2003年平成15年)3月に閉鎖された
  2. ^ 21日付という説もある。
  3. ^ 2000年(平成12年)2月に本線試運転を開始し、同年3月18日に営業運転を開始したという説もある。
  4. ^ ED501の西藤原方とED502の富田方に搭載された。
  5. ^ この際、「ライオン印」と車体裾の白帯が省略され、ATSも撤去された。

参考文献

  • イカロス出版『蒸気機関車EX』Vol.6
  • イカロス出版『電気機関車EX』Vol.22
  • 交通新聞社『私鉄車両編成表 '00年版』
  • 交通新聞社『私鉄車両編成表 '01年版』
  • 交友社『鉄道ファン』2000年6月号
  • JTBパブリッシング『私鉄機関車30年』
  • JTBパブリッシング『ローカル私鉄車輌20年 東日本編』
  • JTBパブリッシング『ローカル私鉄車輌20年 西日本編』

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