多元環
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数学において、多元環(たげんかん、algebra)とは可換環上の加群としての構造を持ち、その構造と両立しているような積を持つ代数的構造のことである。algebra を直訳して代数(だいすう)と呼ぶことも多い。また、ブルバキの数学原論では(結合的なものを)線型環(せんけいかん)と呼んでいる。
- 1 多元環とは
- 2 多元環の概要
対合環
(多元環 から転送)
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数学、特に抽象代数学における対合環(ついごうかん、英: involutive ring, involutory ring)、∗-環(スターかん、英: ∗-ring)[注 1]あるいは対合付き環(ついごうつきかん、英: ring with involution)は、環構造と両立する対合(共軛演算、随伴)を備える代数系である。可換 ∗-環 R 上の結合多元環 A がそれ自身 ∗-環でもあるとき、二つの ∗-環の ∗-構造が両立するならば、A を ∗-環 R 上の 対合多元環(ついごうたげんかん、英: involutive algebra; 対合代数)、∗-多元環(スターたげんかん、英: ∗-algebra; ∗-代数)あるいは対合付き多元環(ついごうつきたげんかん、英: algebra with involution; 対合つき代数)という。
- ^ 記法について: 対合 ∗ は後置により表される単項演算で、そのグリフはミーンライン付近やや上方に中心がくるように右肩にのせて
- x ↦ x*,
- x ↦ x∗ (TeX:
),x^*
) とスター演算記号 ∗ (*
) との混同に注意: アスタリスクの項も参照)。∗
- ^ 即ち(通常の多元環がそうであるように)、R を A の中心に埋め込んで考えるとき、R の元によるスカラー倍は A における乗法として実現できる(例えば行列のスカラー倍はスカラー行列を掛けることと同値)が、R の元が A において中心的(すなわち r ∈ R, x ∈ A ならば rx = xr)であることに注意すれば、r ∈ R, x ∈ A について
- (rx)J = xJ rJ = rJ xJ
- ^ X を環 R 上の不定元とすると、二重数環は R[ε] = R[X]/(X2) と書けて、その無限小 ε = X mod (X2) の生成する単項イデアル (ε) を取れば、R[ε]/(ε) = R になるのであった。
- ^ Weisstein, Eric W., "C-Star Algebra" - MathWorld.(英語)
- ^ a b c “Octonions” (2015年). 2015年3月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年1月27日閲覧。
- ^ a b star-algebra in nLab
- ^ Weisstein, Eric W., "Involutive Algebra" - MathWorld.(英語)
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