位相線型空間とは? わかりやすく解説

線型位相空間

(位相線型空間 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/12 07:34 UTC 版)

数学における線型位相空間(せんけいいそうくうかん、英語: linear topological space)とは、ベクトル空間の構造(線型演算)とその構造に両立する位相構造を持ったもののことである。係数体は実数体 R や複素数体 C などの位相体であり、ベクトルの加法やスカラー倍などの演算が連続写像になっていることが要請される。線型位相空間においては、通常のベクトル空間におけるような代数的な操作に加えて、興味のあるベクトルを他のベクトルで近似することが可能になり、関数解析学における基本的な枠組みが与えられる。




「線型位相空間」の続きの解説一覧

位相線型空間

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/09 02:06 UTC 版)

距離空間」の記事における「位相線型空間」の解説

実数または複素数上のノルム空間は、二つの元の間の距離をそれらの差のノルムとして定めると距離空間と見なせる。こうして得られる距離空間のうち完備なものはバナッハ空間呼ばれ関数解析学における主要な枠組み一つとなっている。 ノルムによって位相定まっているとは限らない位相線型空間のうち、平行移動不変な距離について完備空間となっているものはフレシェ空間呼ばれるバナッハ空間のほかに、微分多様体上の滑らかな関数のなす空間や、急減少数列のなす空間などがフレシェ空間の例になっている

※この「位相線型空間」の解説は、「距離空間」の解説の一部です。
「位相線型空間」を含む「距離空間」の記事については、「距離空間」の概要を参照ください。


位相線型空間

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/22 00:46 UTC 版)

ベクトル空間」の記事における「位相線型空間」の解説

詳細は「位相線型空間」を参照 収束性問題は、ベクトル空間 V に両立する位相近さ記述することを可能にする構造)を入れることによって扱われる。。 ここでいう両立」とは、加法スカラー乗法がともに連続写像となるという意味で、大雑把に言えば、x, y ∈ V と a ∈ F が限られた範囲中にあれば、x + yax限られた範囲留まるということである。スカラーについてこの議論がきちんと意味を持つようにするためには、この文脈において体 F にも位相定められていなければならない。よく用いられるのが実数体や複素数体である。 このような位相線型空間ではベクトル級数考えることができて、V の元からなる列 (fi)i ∈ N の無限和 ∑ i = 0 ∞ f i {\displaystyle \sum _{i=0}^{\infty }f_{i}} とは、対応する有限部分和極限を表すものである例えfi が、ある(実または複素函数空間属す函数であるとすると、この場合級数函数級数呼ばれる函数級数の収束様態英語版)は、函数空間課され位相依存するそのような様態中でも各点収束一様収束二つは特に際立った例である。 ある種無限級数極限存在保証する方法一つは、考え空間任意のコーシー列収束するようなものに限って考えることである。そのようなベクトル空間完備であるという。大まかに言えばベクトル空間完備というのは必要な極限をすべて含むということである。例え単位区間 [0,1] 上の多項式函数全体の成すベクトル空間一様収束位相入れたものは完備でない。これは [0,1] 上の任意の連続函数が、多項式函数列で一様に近似することができるというヴァイアシュトラスの近似定理よる。対照的に区間 [0,1] 上の連続函数全体の成す空間に同じ位相入れたものは完備になる。ノルムからは、ベクトルvn が v に収束する必要十分条件lim n → ∞ | v n − v | = 0 {\displaystyle \lim _{n\to \infty }|\mathbf {v} _{n}-\mathbf {v} |=0} で定めることによって、空間位相が入る。バナッハ空間およびヒルベルト空間は、それぞれノルムおよび内積から定まる位相に関して完備位相空間である。函数解析学重要になるそれらの研究は、有限次元位相線型空間上のノルムはどれも同じ収束性概念定めるから、無限次元ベクトル空間焦点あてられる。図は R2 上の 1 ノルムと ∞ ノルムとの同値性を示すものである単位球体」は互いに他に囲まれいるから、列が 1 ノルムに関して 0 に収束することと、その列が ∞ ノルムに関して収束することとが同値になる。しかし無限次元空間場合には、一般に互いに同値ないよう位相存在しおり、そのことが位相線型空間の研究を、付加構造持たない代数的ベクトル空間理論よりも豊かなものとしているのである概念的な観点では、位相線型空間に関する全ての概念位相とうまく合うものでなければならない例えば、位相線型空間の間の線型写像(あるいは線型汎函数)V → W は連続であるものと仮定される。特に、(位相的双対空間 V∗ は連続汎函数 V → R (or C) からなるものとする基礎を成すハーン・バナッハの定理は、適当な位相線型空間を連続汎函数によって部分空間分けることに関係するものである。

※この「位相線型空間」の解説は、「ベクトル空間」の解説の一部です。
「位相線型空間」を含む「ベクトル空間」の記事については、「ベクトル空間」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「位相線型空間」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「位相線型空間」の関連用語

位相線型空間のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



位相線型空間のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの線型位相空間 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの距離空間 (改訂履歴)、ベクトル空間 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS