ちきゅうからつきへ〔チキウからつきへ〕【地球から月へ】
地球から月へ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/25 06:37 UTC 版)
南北戦争終結の若干年後(作中では186X年と記述)、かつて軍で火器の開発を担当していた元軍人たちの集団「大砲クラブ」が、矛先に困る活力と技術力を活かして月に砲弾を撃ち込む計画を立てる。議論の結果、砲弾は地球から観測できる限界のサイズである直径7フィート(2.1m)の当時最新の素材であったアルミニウム製中空球体、砲は長さ900フィート(約270m)の鋳鉄製と決められる。ケンブリッジ天文台の協力も得て、必要な初速や最適な発射時刻、発射地点の条件(緯度)も判明した。 アメリカ国内に限らず全世界から寄付金が募られ、それを資金にして低緯度のフロリダ州タンパに巨大コロンビアード砲の建造が行われる。戦争中にバービケーンと因縁のあるニコール大尉は、計画を公に冷笑し、計画の失敗に大金を賭ける。 フランス人アルダンは大砲クラブに電報を打ち、砲弾を無人用の球体から有人用の弾丸型に変え、自らをその乗員にするよう要請する。アメリカに到着した彼は熱狂的に迎えられる。またバービケーンとニコールを和解させて月旅行の仲間にする。技術的・人間的、全ての問題が解決され、3人の乗った砲弾は予定時刻ちょうどに発射される。空前絶後の火薬量の爆発により空が曇り、砲弾を望遠鏡で追跡するのはしばらく不可能となる。雲が晴れたとき地球側が理解したことは、砲弾がわずかに予定の軌道から逸れ、月面には到達できずに月の衛星になったという事実であった(しかしその観測と理解は間違いであったことが『月世界へ行く』冒頭で説明される)。
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