太陽の周りの月と地球の経路
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/13 05:30 UTC 版)
「月の軌道」の記事における「太陽の周りの月と地球の経路」の解説
天の北極、即ち北極星から見ると、月は地球を反時計回りに公転し、地球は太陽を反時計回りに公転し、月と地球は自身の自転軸を反時計回りに自転している。角速度の方向を示すためには、右手の法則が用いられる。右手の親指が天の北極に向ければ、指の曲がりは月が地球、地球が太陽を公転する方向を示す。 太陽系の描写は、太陽の視点からの地球の軌道と地球の視点からの月の軌道によるのが通常である。こうした視点の使い分けは、地球の周りを回る月が、太陽から見て逆行することがあるような印象を与える。しかし、地球の周りの月の軌道速度(約1キロメートル毎秒)は、太陽の周りの地球の軌道速度(約30キロメートル毎秒)よりも遅く、このような逆行をともなう運動が起こるわけではない。 地球-月系を連惑星系と考えると、その共通重心は地球の中心から約4624キロメートル、地球半径の72.6 %に位置する。この共通重心は、地球が日周運動をする間、常に月の側にある。太陽軌道の地球-月系の経路は、この共通重心が規定する。その結果、地球の中心は朔望月毎に軌道経路の内外に移動する。 太陽系の他のほとんどの衛星とは異なり、月の軌道は惑星の軌道と非常に近い。太陽から月への重力は地球から月への引力の2倍以上になり、その結果、月の軌道は常に凸面であり、凹面の場所や環状になった場所がない。地球-月の重力系が保存されたまま太陽の重力がなくなれば、月は恒星月を周期として地球の周りを回り続ける。
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