月世界へ行く
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/25 06:37 UTC 版)
物語はやや時間を遡り、発射の数十分前から始まる。3人が雑談に興じるうちに発射時刻は迫り、バービケーンの提案で全員が対ショック姿勢を取る(横になる)。予定時刻に砲弾は発射され、彼らは衝撃で気を失う。しばらくして目を覚ました彼らは窓の覆いを外し、自分たちが宇宙空間を飛行中であることを確かめる。賭けに負けたニコール大尉は小切手でバービケーンに支払いをする。 はじめ小天体とのニアミスが一度あったことを除けば飛行は順調に進む。不要物の真空中への投棄、酸素酔い、地球=月の重力均衡地点における無重力状態、などのエピソードが語られる。しかし彼らは旅程の後半、自分たちが予定の軌道を外れていることに気付く。原因は地球近傍でニアミスした小天体の重力であった。バービケーンとニコールは砲弾の軌道が放物線になるか双曲線になるか激論を戦わすが、最終的に彼らが理解したところでは、砲弾の落ち着いた軌道は月を周回する楕円軌道であった。 近地点では50km以内の距離まで月面に接近した彼らは小型望遠鏡で月面をつぶさに観察し、月が基本的に死の世界であると結論づける。3人は、孫衛星に缶詰というジリ貧の状態を脱するため機尾の着陸用逆噴射ロケットを使って軌道を変え、敢えて月面に着陸しようと決心する。最適な瞬間にロケットが点火され、砲弾は楕円軌道から抜け出る。しかし新たな軌道は彼らの意図とは異なり、地球へ帰還する軌道であった。 数日後、アメリカの軍艦サスケハナ号が北太平洋で砲弾の着水を目撃し、その知らせで救助隊が出動する。アメリカに凱旋した彼らは英雄として迎えられた。
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