地方行政機関の対応
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/23 02:50 UTC 版)
「中国の環境問題」の記事における「地方行政機関の対応」の解説
地方行政機関は先富論にのっとり経済発展重視の基本姿勢を維持しており、また汚染企業からの税収を主な収入源としているところも多く、法律そのものを遵守する意識の低さも重なって、中央行政機関による環境法規や政策が実質的に機能しないことが多い。第十次五カ年計画で環境保護目標の多くが達成されなかったのもそのせいと考えられ、第十一次五カ年計画では、経済成長目標が達成されても環境保護目標が達成されなければ地方高官は罷免されるという「一票否決」制度が導入された。その結果、第十一次五カ年計画で達成されなかった目標は1指標のみとされるが、それが実態を反映したものか、統計の捏造などの不正によるものかは今後の検証が必要である。 とりわけ生活ゴミに対する対応については、以下のとおりである。市民による分別を促進させる取り組みは、政府主導で繰り返し行われてきたが、全国的な取り組みには到っていない。処理方法は、1980年代から埋立地は徐々に減少し、焼却と堆肥が主流になりつつある。上海、北京、南京、広州、杭州、ハルビンなどの都市はいずれも大型ゴミ処分工場を建設し、ゴミによる発電、石油精錬、製紙などが行われている。なお北京、広州、上海、南京などの都市部においては、市民からゴミ処理費用として毎月ゴミ処理代を徴収している。北京市では、北京市は1980年代から資源ゴミ回収のシステム化に取り組んでいる。2013年現在稼動している生ゴミ処理工場は南宮(400トン/日)、阿蘇衛(1600トン/日)と高安屯(400トン/日)で、フル稼働すれば同市で排出された生ゴミの約26%に相当するが、実際には半分程度の稼動という。またここで生産された堆肥は混合物が多いため肥力が低いことや、化学肥料の普及を背景に、農民に拒否されたと報道されている。 南京市では、生活系ごみ最終処分場の 「水閣処分場」 と、隣接する最終処分場からのメタンガス回収による発電施設を2002年から稼動させている。各家庭で民間に売却処分するシステムを機能させ廃棄物リサイクルを政策的に進めている。
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