同時代評価とは? わかりやすく解説

同時代評価

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/04 14:52 UTC 版)

少年 (谷崎潤一郎)」の記事における「同時代評価」の解説

谷崎春陽堂明治大正文学全集解説で「「少年」は前期作品のうちでは、一番キズのない、完成されたものであることを作者信じる」と自ら言っているが、発表時の評価悪くなかった。『帝国文学』『三田文学』『早稲田文学』『ホトトギス』『白樺』等の雑誌及び『読売新聞』『東京日日新聞』『國民新聞』の文芸時評取り上げられた「少年」には「此作は本月作物中最も優れた興味あるものゝ一である」(『三田文学』)「「少年一篇立派に六月記念に残つた」(『東京日日新聞』)といったような好評価ばかりが寄せられたが、特に『白樺』の生田蝶介は「六月文壇新し一事件と云はねばならぬ」と『國民新聞』では近松秋江が「六月の「スバル」に出た谷崎潤一郎氏の「少年」ぐらゐ巧妙な作はなかつた」と大絶賛だった。 このほか谷崎聞いたによれば上田敏森鷗外「麒麟」や「幇間」と併せ少年」を褒めていたという。しかし、最も影響力のあった評価永井荷風よるものだった。荷風はまず8月三田文学載せた短編眠られぬ夜の対話」の中で登場人物「男」に「もう私はとても、あの若い新進作家書いた少年』のやうな、強い力の籠った製作を仕上げる事ができないのだ」と嘆かせていたが、11月の「谷崎潤一郎氏の作品」においても谷崎文学褒めながら「少年」に言及している。「『少年』の全篇尽くこの肉体上の惨忍恐怖とによつて作り上げられたものであるが、茲に注意すべきは谷崎氏の描き出す肉体上の惨忍は、如何に戦慄すべき事件をも、必ず最も美し文章を以て美し詩情中に開展させてある」や「他人から受ける侮蔑極度まで進んで来た場合には、却て一種痛切な娯楽慰安を感ぜしめるに至る病的心理状態が、実に遺憾無く解剖されてゐる」といった分析をしていた。

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同時代評価

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/11 23:47 UTC 版)

春琴抄」の記事における「同時代評価」の解説

正宗白鳥は『中央公論』において「聖人出づと雖も一語挿むこと能わざるべしと云った感に打たれた」と称賛した一方で明日の日は、私もこういう文学唾棄するかも知れないと書いている。小林秀雄は「特に心を動かされたでもなし、深く考えさせられたのでもない」と、本作について消極的な見解示した川端康成本作について「ただ嘆息するばかりの名作で、言葉がない」と評した

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