同時傷害の特例とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > 同時傷害の特例の意味・解説 

同時傷害の特例

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/18 00:55 UTC 版)

傷害罪」の記事における「同時傷害の特例」の解説

刑法207条には、「2人上で暴行加えて人を傷害した場合において、それぞれの暴行による傷害軽重を知ることができず、又はその傷害生じさせた者を知ることができないときは、共同して実行した者でなくても、共犯の例による。」という特例規定されている。これは、暴行加えた複数人が「共同して実行した者」ではないときに適用される。本来であれば複数人それぞれ意思の疎通なくたまたま同時に犯罪行った場合には同時犯となり、自分行為から発生した結果についてのみ責任を負うのであるが、同時傷害限っては、そのような複数人同時犯ではなく共犯共同正犯)として扱うという趣旨であり、それぞれ与えた暴行発生した結果との因果関係個別証明することが困難であることを理由一律に共犯として扱うという政策的規定である。なお、初めから複数人の間に意思の疎通があって共同して暴行実行した場合には、この規定を経ることなく単純に共同正犯として扱われる。 これにより、他者意思疎通なく同時に暴行加えて傷害結果発生させた者が傷害罪としての処罰免れるためには、傷害結果自分暴行から発生したものではないことを立証する責任を負う挙証責任転換)。 この規定傷害罪だけに適用されるのか、傷害致死罪などにも適用されるのかについて学説争いがある。判例傷害致死罪への適用認めている(最判昭和26年9月20日刑集5巻10号1937頁)が、批判がある。

※この「同時傷害の特例」の解説は、「傷害罪」の解説の一部です。
「同時傷害の特例」を含む「傷害罪」の記事については、「傷害罪」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「同時傷害の特例」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「同時傷害の特例」の関連用語

同時傷害の特例のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



同時傷害の特例のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの傷害罪 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS