各種の性質
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/05 06:12 UTC 版)
三角数は組合せ記号で表すことができる:Tn = n+1C2 n(≥ 2)チームの総当たりのリーグ戦における全試合の回数は Tn−1 に等しい。 三角数は 3 で割り切れるか、もしくは 9 で割ると 1 余る数のどちらかである。 自然数の n までの立方和は Tn2 に等しい: ∑ k = 1 n k 3 = { n ( n + 1 ) 2 } 2 {\displaystyle \sum _{k=1}^{n}k^{3}=\left\{{\frac {n(n+1)}{2}}\right\}^{2}} 三角数の逆数和は 2 に収束する。これは矩形数の逆数和 1 の 2 倍である: ∑ n = 1 ∞ 1 n ( n + 1 ) 2 = 2 ∑ n = 1 ∞ ( 1 n − 1 n + 1 ) = 2 {\displaystyle \sum _{n=1}^{\infty }{\frac {1}{\frac {n(n+1)}{2}}}=2\sum _{n=1}^{\infty }\left({\frac {1}{n}}-{\frac {1}{n+1}}\right)=2} この部分分数分解から、三角数の逆数を 1 個、 2 個、 4 個、 ・・2 の n(≥ 0) 乗個、・・ずつ順に加えてゆくと初項 1, 公比 1/2 の無限等比数列になることが導かれる。 1 1 = 1 {\displaystyle {\frac {1}{1}}=1} 1 3 + 1 6 = 1 2 {\displaystyle {\frac {1}{3}}+{\frac {1}{6}}={\frac {1}{2}}} 1 10 + 1 15 + 1 21 + 1 28 = 1 4 {\displaystyle {\frac {1}{10}}+{\frac {1}{15}}+{\frac {1}{21}}+{\frac {1}{28}}={\frac {1}{4}}} … 三角数の漸化式として Ta+b = Ta + Tb + ab や Tab = TaTb + Ta−1Tb−1 などが挙げられる。 回文数である三角数は 55, 66, 666 だけであると考えられている。 あらゆる自然数は高々3つの三角数の和で表すことができる、という定理がある。これは、ガウスによって1796年(彼の日誌によれば7月10日)に証明された。この定理は全ての自然数が高々n個のn角数の和で表すことができるというフェルマーの多角数定理の中に含まれている。 偶数の完全数は三角数でもある。 平方数でもある三角数は平方三角数と呼ばれ、無数にある。1, 36, 1225, …(オンライン整数列大辞典の数列 A001110) フィボナッチ数である三角数は 1, 3, 21, 55(オンライン整数列大辞典の数列 A039595) 五角数である三角数は 1, 210, 40755, 7906276, …(オンライン整数列大辞典の数列 A014979) 楔数である三角数は 66, 78, 105, 190, 231, 406, 435, 465, 561, 595, …(オンライン整数列大辞典の数列 A128896) ハーシャッド数である三角数は 1, 3, 6, 10, 21, 36, 45, 120, 153, 171, 190, 210, 300, …(オンライン整数列大辞典の数列 A076713) 等比三項の和 r0 + r1 + r2 で表せる三角数は 3, 21, 91, 703, …(オンライン整数列大辞典の数列 A069017)(00 が定義できないので 1 は除外した。) 1/3T3n−1 は全て五角数であり、T2n−1 は全て六角数である。また六角数は全て三角数でもある。 中心つき多角数nは、三角数にnをかけて、1を加えた値になっている。 1 + 2 = 3 {\displaystyle 1+2=3} 4 + 5 + 6 = 7 + 8 {\displaystyle 4+5+6=7+8} 9 + 10 + 11 + 12 = 13 + 14 + 15 {\displaystyle 9+10+11+12=13+14+15} … と無限に続く足し算の等式はタルタリアの三角形と呼ばれる。上から n 段目の等式の値は n 番目の三角数の 2n + 1 倍である。1段目から n 段目までの総和は、1から n までの立方和(n 番目の三角数の自乗)の 1 + 2/n 倍であり、連続三角数の積である。 3 2 + 4 2 = 5 2 {\displaystyle 3^{2}+4^{2}=5^{2}} 10 2 + 11 2 + 12 2 = 13 2 + 14 2 {\displaystyle 10^{2}+11^{2}+12^{2}=13^{2}+14^{2}} 21 2 + 22 2 + 23 2 + 24 2 = 25 2 + 26 2 + 27 2 {\displaystyle 21^{2}+22^{2}+23^{2}+24^{2}=25^{2}+26^{2}+27^{2}} … と無限に続く自乗和の等式も同じ名で呼ばれる。上から n 段目の等式は 2n 番目の(六角数でない)三角数から 2n + 1 個の連続数の自乗項を左辺で n + 1 個、右辺で n 個足したものである。中央は n 番目の三角数の4倍の自乗である。等式の値は1から n までの立方和の 16(n + 1/2) 倍と n 番目の四角錐数の和に等しい。 1 2 + 1 ∗ 3 = 2 2 {\displaystyle 1^{2}+1*3=2^{2}} 6 2 + 7 2 + 6 ∗ 10 = 8 2 + 9 2 {\displaystyle 6^{2}+7^{2}+6*10=8^{2}+9^{2}} 15 2 + 16 2 + 17 2 + 15 ∗ 21 = 18 2 + 19 2 + 20 2 {\displaystyle 15^{2}+16^{2}+17^{2}+15*21=18^{2}+19^{2}+20^{2}} … 上記のように自乗和の三角形から漏れた数にも、足し算の三角形と興味深い関係がある。即ち 2n - 1 番目の三角数(n 番目の六角数)から 2n 個の連続数の n 個ずつの自乗和の差は、足し算の三角形の1段目から 2n - 1 段目までの総和に等しく、連続三角数の積である。例えば 62 + 72 と 82 + 92 の差60は足し算の三角形の1段目から3段目までの総和に等しく、 6 × 10 である。また、自乗和の三角形の順序を入れ換えると、次のように別の連続三角数の積が現れる。n 段目の積は足し算の三角形の1段目から 2n 段目までの総和に等しく、足し算と自乗和の三角形の n 段目の中央数の和に等しい。例えば2段目の 10 × 15 は足し算の三角形の1段目から4段目までの総和に等しく、6 + 122 である。 3 2 + 5 2 = 4 2 + 3 ∗ 6 {\displaystyle 3^{2}+5^{2}=4^{2}+3*6} 10 2 + 12 2 + 14 2 = 11 2 + 13 2 + 10 ∗ 15 {\displaystyle 10^{2}+12^{2}+14^{2}=11^{2}+13^{2}+10*15} 21 2 + 23 2 + 25 2 + 27 2 = 22 2 + 24 2 + 26 2 + 21 ∗ 28 {\displaystyle 21^{2}+23^{2}+25^{2}+27^{2}=22^{2}+24^{2}+26^{2}+21*28} …
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