句点の省略
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/15 14:04 UTC 版)
詩、歌詞、短歌、俳句などの類ではほとんどすべての場合、句点がすべて除かれて記述される。 詩で、句点や改行の代わりに「/」が使われることがある。 例:「鏡よ鏡よ鏡さん/世界一の美人は誰かしら/そこまで自信はないけれど」 新聞のコラムや雑誌の編集後記では、省スペースのため、段落の区切りで普通使われる句点と改行に代えて「▼」が使われることがある。 手紙や挨拶文では、古来、句読点を除いて書かれていた伝統が息長く続き、除かれることが多い。現代では読みやすさが重視されて、記述されるケースが徐々に増えている。 賞状には句読点を除くしきたりが根強く残っている。 疑問符「?」(ハテナ)や感嘆符「!」(ビックリ)の後ろには句点を付けない。改行せずに新たな文が続くときは「食すべきか、痩せるべきか? それが問題だ!」のように間に空白を入れる。 現代における絵文字や顔文字については、文末に付けるという用法が共通していることからか、疑問符・感嘆符と同様に句点は省略される。 ダッシュ記号「──」の後ろで改行するときは句点を付けないことが多い。 リーダー記号「……」の後ろには「やっぱり食べよう……。」のように句点を付けることが多い。なお、出版業界では三点リーダー「…」を単独で用いるのではなく、2回続けて「……」とする用法が一般的とされている。 インターネット上(主に5ch界隈)では、「…」の変種として、「食べてしまった弱い私。。。」のように句点を連続した「。。。」というくだけた記法が見られる。 句点と閉じ括弧が連続する「。)」の場合に、句点が省略されて「)」だけになることがある。たとえば、 「好物(私の場合は食べ物すべて好物だ。)を目の前にするとたまらない。」 の「。)」を「)」だけにするケースである。 日本エディタースクール編『文字の組方ルールブック タテ組編』によれば、「。)」について、文章が続くとき(短い注釈、引用等)ときは句点を省くほうがよく、文章が切れるとき(会話文等)は省かないほうがよいとされる。 ただし、現代はどちらの場合も句点を省略することが多い。 次に句点と開き括弧が連続する「。(」の場合について述べる。文がうしろに別の文群を括弧で括って伴うとき、「《文》。(《文群》。)」とも書くが、文2が文1に従属している感じが強ければ「《文》(《文群》。)」として句点をまとめる。すなわち、「。(」を「(」だけにする。 例:「食べても太らない薬を発明して欲しい(既にあるかもしれないが。)」 法令は一般の文章の傾向と異なり、括弧内が文であるがそこで文章が切れていない場合にも、句点を省略しないことが多い。 例(特許法第二条): 「物(プログラム等を含む。以下同じ。)の発明にあつては、」〔以下略〕 また、これは法令に限らないが、項目の箇条書きでは句点を除くことが多い。句点を付ける場合もある。 句点を付けていない箇条の例(特許法第二条): 「二 方法の発明にあつては、その方法の使用をする行為」 句点を付けている箇条の例(特許法第十七条): 「一 手続が第七条第一項から第三項まで又は第九条の規定に違反しているとき。」 いずれにしても、ひとまとまりの箇条書き中に、句点で終わっている箇条と句読点でない文字で終わっている箇条とが混在しない書き方にしたほうが美しい。 (間違いではないが)美しくない例 一応カロリーを頭に入れておくことと、 運動 体重を気にしすぎない。 恋人作り 美しい例 一応カロリーを頭に入れておく 運動する 体重を気にしすぎない 恋人を作る
※この「句点の省略」の解説は、「句点」の解説の一部です。
「句点の省略」を含む「句点」の記事については、「句点」の概要を参照ください。
- 句点の省略のページへのリンク