受信周波数による分類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 09:55 UTC 版)
1バンド 多くは中波(530 - 1605kHz)AMのみ、またはFMのみの製品で、安価な携帯ラジオやライトバン・トラックなどの商用車のカーラジオに多い。その他、ラジオNIKKEI受信専用の短波ラジオも市販されていて(受信周波数が固定されておりスイッチ切り替えだけで済む代わり、周辺の局を聴くことは出来ない)、数は少ないが、製造は続いている。近年はチップセットに実装されたFM放送受信音声出力機能を使用可能にした携帯電話機(特にスマートフォン)がある。 2バンド 中波+FMが多い。アナログチューニングの機器のFM受信周波数範囲は76 - 108MHzまでのものが主流である。FM放送の周波数範囲は76 - 90MHzだったが、隣接する周波数帯を利用するアナログテレビ放送1チャンネルから3チャンネルまでの音声を受信することを想定して108MHzまで受信できるように設計されていた。しかし、アナログテレビ放送の終了した2011年7月以降は90MHzまでのラジオが増えてきた。その後、2015年頃からFM補完中継局用にFM放送の周波数割り当てが拡大されたことにより108MHzまで、あるいはFM補完中継局の当初の割り当てである95MHzまで受信できるものが再び出始めている。FMステレオが受信できるものや、わずかではあるがFM・AMともにステレオで受信できるものがある。デジタルチューニングのうち、一部の携帯ラジオやラジカセなど90MHz以降が「テレビ(TV)1ch - 3ch」のようにチャンネル(音声周波数)が決まっているものは海外では受信できない。なお、FM放送開始以前の1960年代前半までは中波+短波(3.9 - 12MHz)が多かった。現在でも、中波+短波(ラジオNIKKEI受信用)のラジオは市販されている。中波+FMのホームラジオ、ポケットラジオ、クロックラジオは2019年以降も新製品がどこかのメーカーから投入され、需要に衰えがない。 3バンド かつては中波+FM+テレビの1 - 12chの音声が受信できるもの、または中波+FM+短波の3バンドを搭載したホームラジオが多く市販された。中波+FM+複数の周波数域の短波(3.9 - 12MHzが主であるが、メーカーによってはBCL向け短波ラジオとして、それよりも上の22MHz、あるいは30MHzまでの後述「4バンド以上」に準じたものもある)が、現在OEMの形態で市販されている。現在は中波+FM+短波(ラジオNIKKEI受信用)のラジオが市販されているほか、2012年に入ってからは中波+FM+テレビUHF(ワンセグ)の音声が受信できるラジオも、少数市販されている。短波を搭載した3バンドラジカセ、という商品もかつてはあったが、現在では希少な存在になっている。 4バンド 中波+FM+短波放送のバンド75 - 13Mの各バンド、あるいは長波・中波・短波の150 - 530 - 30000kHzを連続受信可能な、「ゼネラルカバレッジ」と呼ばれるもの。2019年現在の日本ではAIWAほか。他にはソニーのICF-890V(生産終了)や、一部のラジカセなどで中波+FM+テレビVHF(1 - 12ch)+テレビUHF(13 - 62ch)というタイプもあったが、1 - 3chを除く(ハワイ及びアメリカ本土では88 - 108MHzまでが放送バンドである。超短波放送参照)VHFバンドとUHFバンドは2011年7月24日(岩手・宮城・福島の各県は2012年3月31日)に地上デジタルテレビ放送への完全移行による地上アナログテレビ放送の終了で受信できなくなるため生産が打ち切られ、中波+FM+テレビVHFの - 12chの音声が受信できる3バンドラジオや中波+FM+短波(ラジオNIKKEI受信用)+テレビVHFの4バンドラジオも同様の理由で生産が打ち切られた。このため4バンドラジカセは絶滅した。厳密な意味の4バンドとは、FM+中波+短波+長波を搭載したラジオを指す。他のメーカーで5バンド以上を謳う社は存在するが、短波を周波数帯で細かく割っているだけである。 5バンド 中国のメーカーTECSUN、XHDATA、RADIWOWには中波+FMステレオ+エアバンド+長波+短波の5バンドに対応しているものが複数発売されており、流通量は少ないが入手は可能である。日本メーカーの5バンドはELPAの2014年発売機種のみ入手できる。 ワイドバンドレシーバ 基本的に無線電波通信広帯域受信機で、ラジオ放送・TV放送以外の業務用無線電波通信などの受信再生に対応し、受信可能電波帯域が広いだけでなく、多様な変調方式にも対応する事を目指している。前述の「ゼネラルカバレッジ」の概念を更に押し広げた物である。バンド数というより、対応広帯域バンドの一部が技術的理由で途切れているか、自主規制でマスクされていると理解すべき。
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