取扱説明書と媒体
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/01 10:56 UTC 版)
取扱説明書では従来、印刷物の形で製品に付属させる形態が主で、これらは制作に際し、校正や査読を通して読者である消費者が誤解や理解不足を生まないよう配慮される。これは製品を適切に使ってその利便性を提供したいという面もあれば、誤った使い方で事故を起こしてもらいたくないという理由もある。そのいずれにおいても、一字一句といった細部にわたるまで判りやすいよう努力が払われる訳だが、往々にして様々な理由により記載漏れや誤りを含む場合もあり、その場合には従来後付けで別紙が貼付ないし同梱されることもある。 近年では、Portable Document Format(PDF)と呼ばれる電子文書フォーマットと、これを再生するためのパーソナルコンピュータ(パソコン)も広く普及しているため、ことパソコン本体や周辺機器、あるいはアプリケーションソフトウェアの内に付属させる取扱説明書を、電子書籍としてPDF形式で貼付する形式や、改訂版など最新の取扱説明書をインターネット経由でメーカーのウェブサイトからダウンロード可能なサービスを行なっているところも見られる。これはDesktop publishing(デスクトップ・パブリッシング:パソコンなどで電子的な印刷原稿を編集すること)が簡便で改定が容易なこと、また最新の版に差し替えるのも容易く、その配布経路も整備されていることなどの理由もあるが、それに加え印刷のコストを軽減できるという側面もある。 この外にも、例えばパソコンの一般家庭向け製品を目指したIBMの「Aptivaシリーズ」のような製品では、紙媒体の取扱説明書が十分に説明を凝らそうとすれば、その厚みだけで初心者に拒否感を抱かせる可能性があるところを、ビデオテープに録画された映像で、判り易くパソコンを立ち上げるまでを解説したケースもあるなど、必ずしも文章だとは限らず、今日ではDVDに録画された映像で扱いを解説する製品も様々な方面に見られ、特にDVDがランダムアクセス性に優れ、あたかも印刷媒体で目次や索引から目的のページを開くように扱うことも出来るため、状況や知りたい内容に即した映像を呼び出せるようにもなっている。
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