取り調べメモの廃棄
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/31 08:33 UTC 版)
林谷は、障害者郵便制度悪用事件における村木厚子の第14回公判(2010年3月18日)において、取り調べ時に作成したメモについては「関係者のプライバシーが書かれている上、わたしにとって必要がないので廃棄した」と証言した。村木の公判においては、証人が次々と村木の関与を認めた調書の内容を否定し、調書の信用性の有無を判断するカギとなっていたため、弁護側は取り調べメモの開示を求めていた。 また2010年3月24日の第15回公判では、「証拠開示の対象であることは分かっていた」と証言した。弁護側は、「証拠隠滅ではないか」と詰め寄ったが、「そうは思わなかった」とかわした。また「取り調べで大声を出したことがある」とも証言した。 取り調べメモについては、最高裁判所が2007年12月、警察官の備忘録について「個人的メモの域を超えた公文書」として証拠開示の対象になるとの判断を示したため、最高検察庁は2008年7月及び10月に、同庁刑事部長名で取り調べメモの取り扱いについて各地検に通知し、取り調べ状況が将来争いになる可能性があると捜査担当検事が判断した場合は、取り調べメモを公判担当検事に引き継ぐことや、公判担当検事は取り調べメモを一定期間保管することを求めていたため、取り調べメモの廃棄は最高検察庁の通知に反するものだったと報道された。。 その一方で、最高検察庁が全国の高等検察庁及び地方検察庁に対し「必要性の乏しいものを安易に保管しておくことで。開示を巡る無用の問題が生じかねない」、「取調べメモは、そこに記載された供述内容等について,供述調書や捜査報告書が作成されれば,不要となるものであり」、「捜査の秘密の保持や関係者の名誉及びプライバシー保護の観点から、安易に保管を継続することなく廃棄すべきものである。」とする連絡文書を、その通知の補足説明として発していたことも明らかとなった, 最高検察庁が作成したこの事件の問題点に関する報告書である「いわゆる厚労省元局長無罪事件における捜査・公判活動等の問題点等について(公表版)」の35ページには「各検察官が取調べメモを廃棄したことは,それぞれ保管の必要がないものと判断して行われたものであり,通知の趣旨に反するものとは認められない」と記載されている一方、36ページには「例えば、Cの被疑者ノートのように日々の取調べの状況が具体的に記載された資料が存在し、Cが公判廷においてそれに沿った供述をしたのに対し、検察官の証言に関する客観的な資料が存在しないという状況において、Cの証言が排斥されないという判断がなされたことは、取調べメモの不存在が影響した可能性は否定できない」としている。
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取り調べメモの廃棄
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 07:05 UTC 版)
障害者郵便制度悪用事件の裁判では、弁護側が、村木厚子の関与を認めた関係者の調書の証拠能力を争い、検察官が作成した取り調べメモの開示を求めたものの、裁判に出廷した検察官全員がメモは調書を完成した後に廃棄したと主張したため、その取扱いが問題とされた。國井は、障害者郵便制度悪用事件における村木の第15回公判(2010年3月24日)において、取り調べ時に作成したメモをシュレッダーにかけたと証言した。 取り調べメモについては、最高裁判所が2007年12月、警察官の備忘録について「個人的メモの域を超えた公文書」として証拠開示の対象になるとの判断を示したため、最高検察庁は2008年7月及び10月に、同庁刑事部長名で取り調べメモの取り扱いについて各地検に通知し、取り調べ状況が将来争いになる可能性があると捜査担当検事が判断した場合は、取り調べメモを公判担当検事に引き継ぐことや、公判担当検事は取り調べメモを一定期間保管することを求めていたため、取り調べメモの廃棄は最高検察庁の通知に反するものだったと報道された。 その一方で、最高検察庁が全国の高等検察庁及び地方検察庁に対し「必要性の乏しいものを安易に保管しておくことで開示を巡る無用の問題が生じかねない」、「取調べメモは、そこに記載された供述内容等について、供述調書や捜査報告書が作成されれば、不要となるものであり」、「捜査の秘密の保持や関係者の名誉及びプライバシー保護の観点から、安易に保管を継続することなく廃棄すべきものである。」とする連絡文書を、その通知の補足説明として発していたことも明らかとなった。 最高検察庁が作成したこの事件の問題点に関する報告書である「いわゆる厚労省元局長無罪事件における捜査・公判活動等の問題点等について(公表版)」の35ページには「各検察官が取調べメモを廃棄したことは、それぞれ保管の必要がないものと判断して行われたものであり、通知の趣旨に反するものとは認められない」と記載されている 一方、36ページには「例えば、Cの被疑者ノートのように日々の取調べの状況が具体的に記載された資料が存在し、Cが公判廷においてそれに沿った供述をしたのに対し、検察官の証言に関する客観的な資料が存在しないという状況において、Cの証言が排斥されないという判断がなされたことは、取調べメモの不存在が影響した可能性は否定できない」としている。
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