検察の取り調べメモ破棄問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 06:41 UTC 版)
「障害者郵便制度悪用事件」の記事における「検察の取り調べメモ破棄問題」の解説
取り調べを担当した6人の検察官(林谷浩二、國井弘樹及び遠藤裕介の各検事並びに坂口英雄、高橋和男及び牧野善憲の各副検事)が、2009年2月から2010年3月にかけて取り調べの際のメモを破棄していた問題。 村木の裁判では、取り調べメモを「取り調べのメモは、取り調べ時の状況を認定するについての有用な資料」とする一方で、破棄自体は直ちに違法ではないとしたが、検察側に有利な捜査供述と被疑者側に有利な公判証言が出てそれぞれ食い違った際に、被疑者側が「被疑者ノート」など公判証言を支える補強証拠を出してきた場合、検察側が作成した検察官面前調書を補強する証拠がない場合は、被疑者ノートを重視して被疑者に有利に判断するとした。 なお報道によれば、取り調べメモについては、最高裁判所が2007年12月、警察官の備忘録について「個人的メモの域を超えた公文書」として証拠開示の対象になるとの判断を示したため、最高検察庁は2008年7月及び10月に、同庁刑事部長名で取り調べメモの取り扱いについて各地検に通知し、取り調べ状況が将来争いになる可能性があると捜査担当検事が判断した場合は、取り調べメモを公判担当検事に引き継ぐことや、公判担当検事は取り調べメモを一定期間保管することを求めていたため、取り調べメモの廃棄は最高検の通知に反するものだったとされる。 6人の検察官は証拠隠滅罪で、監督責任のある検察幹部10人は犯人隠避罪でそれぞれ告発され、検察は16人を不起訴処分としたが、2011年10月29日に検察審査会は不起訴不当の議決をした。
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