事件の問題点
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/11/02 01:57 UTC 版)
別件逮捕とは、本件について逮捕の要件がまだ備わらないのに、その取り調べのため、別件で逮捕することをいう。被疑者に複数の犯罪の嫌疑がある場合、複数の犯罪に対していちいち逮捕勾留を繰り返すべきとすれば、勾留期間が延びることになる被疑者にとってはむしろ不利益であって、本件の取り調べ中に余罪を取り調べること(余罪の取調べ)は、被疑者と捜査側のいずれにも便宜である。 しかし、本件のように、余罪の取調べの域を超えて、別件での逮捕がその要件を満たさない場合であったり、逮捕の要件を満たす場合であっても実質上は本件の逮捕と同視しうる場合は、「かかる別件逮捕・勾留は、逮捕・勾留手続きを自白獲得の手段視する点において刑事訴訟法の精神に悖るものであり」、「公訴提起前の身柄拘束につき細心の注意を払い、厳しい時間的制約を定めた刑事訴訟法第203条以下の規定を潜脱する違法・不当な捜査方法」であって、「令状主義の原則を定める日本国憲法第33条並びに国民の拘禁に関する基本的人権保障を定めた憲法第34条に違反する」ことになる。
※この「事件の問題点」の解説は、「蛸島事件」の解説の一部です。
「事件の問題点」を含む「蛸島事件」の記事については、「蛸島事件」の概要を参照ください。
- 事件の問題点のページへのリンク