原型作品
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原型作品である『悪霊』は『横溝正史探偵小説コレクション3 聖女の首』(出版芸術社 ISBN 978-4-88293-260-4)に収録されている。里村殺害は昭和13年10月、達夫殺害はその年の年始めという設定で、事件関係者の氏名や属性は改稿後とほぼ同じだが、純な土井がいじめられるのを幾代が不憫がって可愛がり、土井も甘えていたことになっている。約300年前に土牢に幽閉されたのは領主の腹違いの兄であり、領主の腹心が首と胴を切り離して滝の上から落としたところ首だけが獄門岩に引っかかったと伝承されている。 物語は戦後、熊の湯の宿泊客・井出に幾代が退屈しのぎという名目でアルバムを届け、そのあと客室を訪ねて事件のことを話すという形で進行する。井出の正体は事件のあと応召して風貌が変わった土井であり、幾代はそのことに気付いていた。幾代は事件が達夫の事件とそっくりであることから犯人が判っていたが、犯人がなぜ真相を知っていたか判らないという。それに対して土井は部屋の置時計から見つけた道子の遺書を示し、誰も幾代の犯行は知らないから長生きするよう言い残す。戦争で肉親を全て失った土井は里村を殺した場所で自殺するつもりで来ており、既に服毒していた。
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原型作品
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原型作品である『双生児は踊る』は『漫画と読み物』1947年3月号 - 6月号に連載され、角川文庫『ペルシャ猫を抱く女』ISBN 4-04-130454-7 にも収録されている。 金田一は登場しないが等々力警部は登場し、改稿後作品とほぼ同じ役割を担っている。探偵役は双子のタップダンサー・ダンシングトゥイン(星野夏彦、星野冬彦)で、『双生児は囁く』にも登場することからシリーズ化を意図していたとも考えられるが、この2作品以外には登場しなかった。 佐伯殺害時に夏彦と冬彦は舞台上で踊っていた。改稿後作品でも佐伯殺害時にタップダンスが演じられているが、このダンサーはそれ以上の役割を負っていない。 改稿後作品では大道易者・天運堂は金田一が変装した偽者(本物は新橋裏で営業していて登場しない)であり、事件直後に等々力に問題点を指摘し、最後には「暗闇の中で目が見える」トリックを解明するが、原型作品ではこの役割は夏彦と冬彦が負っている。天運堂は犯人が変装した偽者で、本物は足留めのため地下で酒をあてがわれたうえ絞殺された。 改稿後作品では犯人はマダム・雪枝で義眼のことを知っている寺田をカクテルグラスを利用して毒殺しようとして自分が死ぬが、原型作品ではマダムは天運堂が2人いることに気付いたため地下で扼殺される。犯人・寺田は派手な逃走劇を演じた末に逮捕される。
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