半貴石とは? わかりやすく解説

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半貴石

半貴石鉱物岩石有機物起源(真珠珊瑚など)のうち、色がきれいで、際だった美しさをもっているもの。
貴石より軟らかく価値が低い石、という意味で使用されることが多いのですが明確な価値判断基準はありません。
実際貴石呼ばれる石より価値の高い石もあります

関連用語貴石宝石天然石

貴石

(半貴石 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/12 09:43 UTC 版)

貴石(きせき, : precious stone, : pierre précieuse)とは、宝石のうち特に珍重され高値で取引されるもの。狭義にはダイヤモンドルビーサファイアエメラルドの四大宝石をさす[1] が、希少性や硬度を基準として数種の宝石が加えられる。ただし国や専門家によりその基準は異なり、宝石業界内でも統一されていない。貴石以外の宝石は半貴石(はんきせき, : semi-precious stone, : pierres semi-précieuses)と呼ばれる。

定義をめぐって

19世紀以来多くの学者や国際機関が議論してきたが、いまだに貴石と半貴石の間に明確な区別はない[2]。2019年の文献によると、根拠があいまいで推奨されるべきではないが、それでも貴石・半貴石という言葉はよく使われている[3]。また、このような区別は非論理的である(多くの半貴石は、品質次第でダイヤモンドより高価になり得る[4])。無理に区別するよりも宝石イコール貴石とすべきだ、という意見も存在する[5]

フランスでは、1968年11月29日の「1905年8月1日の貴石・真珠の貿易に関する詐欺もしくは不法行為の取り締まりに関する法律施行令」[注釈 1]でダイヤモンド、ルビー、サファイア、エメラルドを貴石と定義したが[6][7]2002年1月14日の「宝石及び真珠取引に関する法令第2002-65号」[注釈 2]により、半貴石という文言は公的には使用できなくなった。この法令の定める宝石(: pierres gemmes)に対して、「半貴重(: semi-précieux)」という表現は使用してはならない[8]

一般にモース硬度が7以上[3]であることが条件の一つとされるが、これは空気中を浮遊する砂塵のうち宝石に与える影響が特に問題視されるのが石英(硬度7)を主成分とするもので、硬度7以下の宝石は慎重に扱わないと長い間には摩耗して価値が減少するためである。ただしヒスイとオパールは硬度7以下であるが、日本においては高く評価されるためしばしば貴石として扱われる[2]

貴石・半貴石という言葉の根拠として物品税法(昭和三七年法律第四十八号)および関税定率法(明治43年法律第54号)を挙げる者もいるが、どちらの法令も「具体的にどれが半貴石か」という明文の規定はない[3]

異なる定義

東京工業大学名誉教授の崎川範行は、宝石(広義)のなかで比較的高価なものを宝石(狭義)、それ以外のものを貴石と呼んだ[9][10]。類似の定義を採用する文献は他にもある[11]

貴石

参考文献で貴石とされているものを列挙する。

脚注

注釈

  1. ^ Décret n°68-1089 du 29 novembre 1968 PORTANT RAP POUR L'APPLICATION DE LA LOI DU 1 août 1905 SUR LA REPRESSION DES FRAUDES ET DES FALSIFICATIONS EN CE QUI CONCERNE LE COMMERCE DES PIERRES PRECIEUSES ET DES PERLES
  2. ^ Décret n°2002-65 du 14 janvier 2002 relatif au commerce des pierres gemmes et des perles, NOR:ECOC0100138D

出典

  1. ^ Max Bauer (1968) (英語). Precious Stones. Dover Publications. p. 2. ISBN 9780486219103 
  2. ^ a b 大百科事典 1985, p. 853.
  3. ^ a b c 日本鉱物科学会 2019, p. 418.
  4. ^ (英語) The Encyclopedia Americana International Edition VOL.12. Grolier Inc.. (1998). p. 367 
  5. ^ 『ブリタニカ国際大百科事典』 17巻、ティビーエス・ブリタニカ、1998年10月1日、173頁。 
  6. ^ Décret n°68-1089 du 29 novembre 1968 PORTANT RAP POUR L'APPLICATION DE LA LOI DU 1 août 1905 SUR LA REPRESSION DES FRAUDES ET DES FALSIFICATIONS EN CE QUI CONCERNE LE COMMERCE DES PIERRES PRECIEUSES ET DES PERLES”. Legifrance. Secrétariat général du Gouvernement. 2019年8月11日閲覧。
  7. ^ パトリック・ヴォワイヨ 著、遠藤ゆかり 訳『宝石の歴史』創元社〈「知の再発見」双書127〉、2011年3月10日、131頁。ISBN 978-4-422-21187-9 
  8. ^ Décret n°2002-65 du 14 janvier 2002 relatif au commerce des pierres gemmes et des perles”. Legifrance. Secrétariat général du Gouvernement. 2019年8月11日閲覧。
  9. ^ 崎川範行『宝石』保育社〈保育社カラーブックス〉、1999年、103頁。 
  10. ^ 崎川範行『宝石のみかた』保育社〈保育社カラーブックス〉、1980年、100-101頁。 
  11. ^ 『日本大百科事典』 21巻、小学館、1988年5月1日、360頁。ISBN 4-09-526021-1 
  12. ^ a b c d e f g h i j みづの 1989, p. 20.
  13. ^ 岡本 1989, p. 80.
  14. ^ 岡本 1989, p. 34.
  15. ^ 岡本 1989, p. 28.
  16. ^ a b c d e みづの 1989, p. 21.
  17. ^ 岡本 1989, p. 48.
  18. ^ 岡本 1989, p. 74.
  19. ^ 岡本 1989, p. 38.
  20. ^ 岡本 1989, p. 16.
  21. ^ 岡本 1989, p. 24.
  22. ^ 岡本 1989, p. 12.
  23. ^ 岡本 1989, p. 56.
  24. ^ 岡本 1989, p. 64.
  25. ^ 岡本 1989, p. 78.
  26. ^ 岡本 1989, p. 70.
  27. ^ 岡本 1989, p. 66.
  28. ^ 岡本 1989, p. 44.
  29. ^ 岡本 1989, p. 6.

参考文献

  • ヒコ・みづの『宝石教室』創元社、1989年4月20日、20-21頁。ISBN 4-422-73003-7 
  • 岡本憲将(監修)『プロが本音で語る宝石の常識』双葉社。ISBN 4-575-47205-0 
  • 『大百科事典』 13巻、平凡社、1985年6月28日、853頁。 
  • 日本鉱物科学会 編『鉱物・宝石の科学事典』(初版第1刷)朝倉書店、2019年9月20日、418頁。ISBN 978-4-254-16276-9 

半貴石

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/16 04:10 UTC 版)

有名な宝石の一覧」の記事における「半貴石」の解説

アクアマリン ドム・ペドロ(英語版世界最大アクアマリン。ブラジル・ペドロアズール鉱山にて採掘。高さ約35、幅10重さ10,363カラットスミソニアン国立自然史博物館アメジスト デリーの紫サファイア 大英自然史博物館。「呪われたアメジスト」として有名。「サファイア」と通称つけられているが、アメジストである。 スピネル 黒太子のルビー 大英帝国王冠飾られているスピネル長い間ルビー信じられていた。 サマリアン・スピネル 世界最大スピネル。 ティムール・ルビー トパーズ アメリカン・ゴールデン・トパーズ カッティングされた巨大なイエロートパーズ、重量約23000カラット (4.6 kg)。 インペリアル・トパーズ 本来は、トパーズ中でもシェリーカラー(黄褐色から褐色; - 黄 - 褐)のOH-タイプブラジルトパーズ云う黄水晶商業名としてシトリン・トパーズという言葉広まったため、黄水晶ではない本来のトパーズに対して色調など関係なく使われるようになったトルマリン ウォーター・メロン 球殻状の構造有しており、内側が赤もしくは赤紫外皮は緑又は青緑になるバイ・カラートルマリン。色の取り合わせスイカに似るのでこの名で呼ばれるパライバ・トルマリン イオン発色によるネオンブルーやネオングリーンが特徴的なトルマリンブラジルパライバ鉱山産であるところからこの名が付いた採掘されたのが1988-89年のわずかな期間のみで、以降途絶したため、現在市場流れているのは中古品と、わずかに当時から保管されていた在庫のみであるため非常に高額カラット単位単価が最も高額な宝石といわれる

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