動物の姿そのままの作品
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動物世界の中で描かれる作品 動物の世界の中で、動物たちが共通の言葉を話しストーリーを展開していく作品は、手塚治虫の『ジャングル大帝』が代表的である。1950年(昭和25年)に連載がスタートしたこの作品は、白いライオン「レオ」を主軸にジャングルに暮らす動物たちの活躍を描き、アニメ化されるなど大人気を博した。1983年(昭和58年)には、『週刊少年ジャンプ』で『銀牙 -流れ星 銀-』が始まり、獰猛な熊に立ち向かうために各地を転戦する野犬たちの友情や愛を描き、異色の動物漫画として人気を集めた。作者の高橋よしひろは、他にも主に犬を主人公とした動物漫画を数多く手がけ「動物漫画家」とも呼ばれることもある。 人間世界の中で描かれる作品 動物を擬人化やデフォルメをせず、忠実に描いた動物漫画として、1961年(昭和36年)に白土三平が『小学六年生』で発表した『シートン動物記』がある。これは子どもの頃から動物好きであった白土が、幼い頃に夢中で読んだアーネスト・トンプソン・シートンの『シートン動物記』のオマージュとして描かれている。5本の短編作品からなり、白土がデビュー当時に描いていたようなディズニー作品ふうの擬人化された動物を廃し、リアリティのある動物描写が特徴である。映像などの動物資料がまだ少なくビデオなども存在しなかった時代であり、白土は動物園に出向いたりテレビに映し出される動物の映像を写真に撮影するなどの苦労を重ねて、写実的な動物描写に取り組んだ。1972年には、『週刊少年ジャンプ』で、飯森広一が飼育係の青年を主人公にした『ぼくの動物園日記』を連載開始した。この作品は西山登志雄をモデルに、飼育係という仕事を通して動物を描いている。こうした動物相手の仕事をテーマにした作品はその後も生まれた。1988年(昭和63年)には『花とゆめ』で獣医学部に通う主人公たちとそのペットの動物たちを描いた『動物のお医者さん』の連載が始まり、獣医学部の志望学生が増えたり作品に登場するシベリアン・ハスキーが大人気となるなど社会現象となった。また同1988年には、飼育日記ふうにハムスターの生態を綴った大雪師走のノンフィクション作品『ハムスターの研究レポート』が発表され、数年後のハムスターブームに一役を買った。この作品の特徴は、対象となるハムスターへの丁寧な観察にあり、「動物漫画にありがちな、擬人化をやめて、観察のスタンスを崩さなかったこと」が作品の人気に繋がったと出版社は分析している。
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