効果的なゲート
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/11 00:33 UTC 版)
「ステージゲート法 (手法)」の記事における「効果的なゲート」の解説
多くの企業は自社の製品開発パイプラインにおいて、限られた資源に対して多すぎるプロジェクトを抱えるといった悩みを持っている。「牙をもったゲート」で開発ポートフォリオからプロジェクトを間引くことで、詰まったパイプラインに対処しやすくなる。また、しっかりとしたイノベーション戦略を戦略的バケットと組み合わせることで、価値のある開発イニシアチブに資源を集中しなおすことが可能となる。 ゲートは、単にプロジェクトのレビューや状態報告や情報更新を行う場所ではなく、過酷な意思決定を下すミーティングの場であり、重要な承認/中止(ゴー/キル)の判断や優先順位付けをプロジェクトに対して行う場所である。このようにゲートは、正しいプロジェクトを進め、またプロジェクトを正しく進めるようにするための品質管理チェックポイントとなる。 ゲートには、上級管理者が承認/中止の判断や優先順位付けを客観的に行えるようにするための、明確で目に見える判定基準が必要となる。この判定基準が効果的であるためには、実用的で(使いやすい)、現実的で(利用可能な情報を活用する)、鑑識眼の鋭い(良質なプロジェクトを平凡なプロジェクトから峻別できる)基準であることが前提となる。この判定基準は、次の2つのレベルに分けられる。 絶対基準:質問形式のチェックリストで、問題のあるプロジェクトは即座にアウト 期待基準:特に望ましい特徴にスコアを付けて集計 次の判定基準のサンプルリストより作成されたスコアカードを基に、ゲートミーティングでプロジェクトにスコアが付けられる。 絶対基準(質問形式のチェックリスト - はい/いいえ)戦略との整合性(ビジネスユニットの戦略に合致しているか) 技術の実現性の妥当な確率 「環境安全衛生(EHS)方針 」の達成 o リスクを上回るリターン 期待基準(0~10点で採点)戦略的ビジネスユニットの戦略に対するプロジェクトの合致度 戦略的重要性 製品優位性他にはない便益 従来製品や競合製品よりも顧客ニーズを満たす コストパフォーマンス 市場の魅力市場規模 市場の成長率 競争状況 シナジー(コアコンピテンシーを活かす)マーケティング面でのシナジー 技術面でのシナジー 製造/加工におけるシナジー 技術的実現性技術ギャップ 複雑さ 技術的な不確実性 事業性市場性 販売、マーケティング、請求 サポートと運営 リスク・リターン予測収益性(例:正味現在価値など) リターン(例:内部収益率(IRR)など) 回収期間 収益の確実性 上記の質問に対する答えの多くが「いいえ」や「低い」となった場合、プロジェクトを差し戻して再検討するか(適用範囲、タイムフレーム、資金調達、ソリューションの調整など)、すべて中止(キル)にするかのいずれかの決断が下される。
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