分化過程
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/23 07:10 UTC 版)
好中球を含め、全ての血球は骨髄の中に存在する造血幹細胞に由来する。骨髄中において造血幹細胞は赤血球・各種の白血球・血小板に分化するが、最終的に好中球に分化する場合は造血幹細胞、骨髄系幹細胞(骨髄系前駆細胞)、顆粒球・単球系前駆細胞、、顆粒球前駆細胞、骨髄芽球、前骨髄球、骨髄球、後骨髄球の順に分化成熟する。さらに桿状核球を経て分葉核球へと分化するが、この最後の2つをもって好中球と呼ぶ。 造血幹細胞から分裂し分化し始めた細胞は盛んに分裂し数を増やしながら少しずつ分化の方向を進めていく。幹細胞から前駆細胞、骨髄芽球の段階までは、顕微鏡による形態学的観察では最終的に好中球などの顆粒球系に分化する細胞であるか識別は困難であるが、骨髄芽球の段階からは顆粒が生じ始め、顆粒球系の細胞と形態学的にも判断できるようになる。前骨髄球の段階になると、好中球への分化傾向が明らかになる。 骨髄芽球の段階から一次顆粒(アズール顆粒)が生じ始め、前骨髄球では豊富な一次顆粒(アズール顆粒)を持つようになる。骨髄球の段階では一次顆粒は見えなくなり(見えないが存在はする)、代わりに二次顆粒(特殊顆粒)が発現する。さらに三次顆粒など、好中球には各種の殺菌性顆粒が存在するようになる。 顆粒球系と判断できるようになった段階以降も、骨髄芽球で1回、前骨髄球で2回、骨髄球で2回ほどの細胞分裂を起こし、数を増す。後骨髄球の段階になると、細胞分裂する能力は失われる。通常時には、骨髄芽球以降の段階でおよそ11日の時間をかけ、成熟する。 骨髄芽球や前骨髄球など幼若な段階では、細胞の核は大きく丸く、核内構造(クロマチン構造)は繊細であるが、分化・成熟が進むほど核は小さくいびつになり、構造は粗くなる。核が歪んだジェリービーンズ形である「桿状核球」と呼ばれる段階になると、完成した好中球と認識されるが、さらに成熟が進み、核の形が複数に分かれた分葉核球となる。分葉核球が好中球の分化の最終成熟段階となる。 末梢血に見られる好中球の大多数は分葉核球であるが、炎症時など好中球の大量の動員が必要な時などには桿状核球の割合が増える。
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分化過程
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2014/02/06 14:09 UTC 版)
造血幹細胞から分化し始めた幼若な血液細胞は盛んに分裂して数を増やしながら少しずつ分化を進めていく。 最終的に好中球に分化する場合は造血幹細胞、骨髄系幹細胞(骨髄系前駆細胞)、顆粒球・単球系前駆細胞、顆粒球系前駆細胞、骨髄芽球、前骨髄球、骨髄球、後骨髄球、桿状核球、分葉核球と成熟していく。最後の分葉核球が成熟の最終段階の好中球である。 同じように好酸球に分化する場合は造血幹細胞、骨髄系幹細胞(骨髄系前駆細胞)、好酸球系前駆細胞、骨髄芽球、好酸性前骨髄球、好酸性骨髄球、好酸性後骨髄球、好酸性桿状核球、好酸性分葉核球=好酸球と分化する 好塩基球に分化する場合は造血幹細胞、骨髄系幹細胞(骨髄系前駆細胞)、好塩基球系前駆細胞、骨髄芽球、好塩基性前骨髄球、好塩基性骨髄球、好塩基性後骨髄球、好塩基性桿状核球、好塩基性分葉核球=好塩基球と分化するが好塩基球は必ずしも分葉がはっきりしない。 数量的には大半が好中球系である。
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分化過程
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/07/24 15:40 UTC 版)
造血幹細胞から分化し始めた幼若な血液細胞は盛んに分裂して数を増やしながら少しずつ分化を進めていく。最終的に好中球に分化する場合は造血幹細胞、骨髄系幹細胞(骨髄系前駆細胞)、顆粒球・単球系前駆細胞、顆粒球系前駆細胞、骨髄芽球、前骨髄球、骨髄球、後骨髄球、桿状核球、分葉核球と成熟していく。最後の分葉核球が成熟の最終段階の好中球である。 同じように好酸球に分化する場合は造血幹細胞、骨髄系幹細胞(骨髄系前駆細胞)、好酸球系前駆細胞、骨髄芽球、好酸性前骨髄球、好酸性骨髄球、好酸性後骨髄球、好酸性桿状核球、好酸性分葉核球=好酸球と分化する 好塩基球に分化する場合は造血幹細胞、骨髄系幹細胞(骨髄系前駆細胞)、好塩基球系前駆細胞、骨髄芽球、好塩基性前骨髄球、好塩基性骨髄球、好塩基性後骨髄球、好塩基性桿状核球、好塩基性分葉核球=好塩基球と分化するが好塩基球は必ずしも分葉がはっきりしない。 数量的には大半が好中球系である。
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分化過程
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/07/24 16:13 UTC 版)
造血幹細胞から分化し始めた幼若な血液細胞は盛んに分裂して数を増やしながら少しずつ分化を進めていく。最終的に好中球に分化する場合は造血幹細胞、骨髄系幹細胞(骨髄系前駆細胞)、顆粒球・単球系前駆細胞、顆粒球系前駆細胞、骨髄芽球、前骨髄球、骨髄球、後骨髄球、桿状核球、分葉核球と成熟していく。最後の分葉核球が成熟の最終段階の好中球である。 骨髄芽球は顆粒球系として形態的に同定できるもっとも幼若な血液細胞である。ただし、実際には造血幹細胞から前駆細胞までのより幼若な細胞は数も少なく見つけにくいが、形態的にも骨髄芽球と区別をつけるのは困難である。
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分化過程
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/14 10:17 UTC 版)
赤血球は造血幹細胞を基にし、次第に分化・成熟して完成する。その段階は、造血幹細胞、骨髄系幹細胞(骨髄系前駆細胞)、赤芽球・巨核球系前駆細胞、前期赤芽球系前駆細胞(BFU-E)、後期赤芽球系前駆細胞(CFU-E)、前赤芽球、好塩基性赤芽球、多染性赤芽球、正染性赤芽球、(網赤血球)、赤血球であるが、前駆細胞は形態的には赤血球系との同定は困難であり、形態学的に通常は前赤芽球がもっとも幼若な赤芽球とみなされ、脱核する前の正染性赤芽球までが赤芽球とされる。若い細胞ほど細胞分裂能が高いが、多染性赤芽球の段階まで細胞分裂能はある。 正染性赤芽球の段階になると細胞分裂能は失われ、やがて核が抜け落ちて赤血球となる。 種類英名イメージ図直径存在割合分裂能細胞質の塩基性参考(前駆細胞) 12-20μm ++++ + 前赤芽球 Proerythroblast 20-25μm 2% ++ + 好塩基性赤芽球 Basophilic erythroblast 16-18μm 6% ++ + 多染性赤芽球 Polychromatic erythroblast 12-15μm 84% + +- 正染性赤芽球 Orthochromatic erythroblast 10-15μm 8% 無し - 参考(赤血球) Erythrocyte 7-8μm 無し -
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分化過程
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/04 22:19 UTC 版)
好中球を含め、全ての血球は骨髄の中に存在する造血幹細胞に由来する。骨髄中において造血幹細胞は赤血球・各種の白血球・血小板に分化するが、最終的に好中球に分化する場合は造血幹細胞、骨髄系幹細胞(骨髄系前駆細胞)、顆粒球・単球系前駆細胞、顆粒球前駆細胞、骨髄芽球、前骨髄球、骨髄球、後骨髄球の順に分化成熟する。さらに桿状核球を経て分葉核球へと分化するが、この最後の2つをもって好中球と呼ぶ。 造血幹細胞から分裂し、分化し始めた細胞は盛んに分裂し、数を増やしながら、少しずつ分化の方向を進めていく。幹細胞から前駆細胞、骨髄芽球の段階までは、顕微鏡による形態学的観察では最終的に好中球などの顆粒球系に分化する細胞であるか識別は困難であるが、骨髄芽球の段階からは顆粒が生じ始め、顆粒球系の細胞と形態学的にも判断できるようになる。前骨髄球の段階になると好中球への分化傾向が明らかになる。 骨髄芽球の段階から光学式顕微鏡では見えないが電子顕微鏡で確認できる一次顆粒(アズール顆粒)が生じ始め、前骨髄球では光学顕微鏡でも確認できる豊富な一次顆粒(アズール顆粒)を持つようになる。骨髄球の段階では一次顆粒は見えなくなり(見えないが存在はする)代わりに二次顆粒(特殊顆粒)が発現する。さらに三次顆粒など好中球には各種の顆粒が存在するようになる。 顆粒球系と判断できるようになった段階以降も、骨髄芽球で1回、前骨髄球で2回、骨髄球で2回ほどの細胞分裂を起こし、数を増す。後骨髄球の段階になると細胞分裂する能力は失われる。通常時には骨髄芽球以降の段階で7日から14日、平均でおよそ11日の時間をかけ成熟する。 骨髄芽球や前骨髄球など幼若な段階では細胞の核は大きく丸く、核内構造(クロマチン構造)は繊細であるが、分化・成熟が進むほど核は小さくいびつになり、構造は粗くなる。核が歪んだジェリービーンズ形である桿状核球と呼ばれる段階になると、完成した好中球と認識されるが、さらに成熟が進み、核の形が複数に分かれた分葉核球となる。分葉核球が好中球の分化の最終成熟段階となる。 末梢血に見られる好中球の大多数は分葉核球であるが、炎症時など貯留プールからの好中球の大量の動員が必要な時などには桿状核球の割合が増える。
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分化過程
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/18 23:34 UTC 版)
B細胞を始めとした全ての血球細胞は、骨髄中の造血幹細胞が分化したものである。始めに造血幹細胞はリンパ系幹細胞へ分化する。次いでプロB細胞を経てH鎖の遺伝子再構成が起きる。完成したH鎖とSL鎖(V-preB・lambda5)とともにpre-BCRを形成、大型プレB細胞となる。そこでpre-BCRシグナルにより一度増殖した後に、L鎖の遺伝子再構成が引き起こされ、やがて小型プレB細胞へと分化する。完成したL鎖はH鎖とともにIgMを形成して、細胞膜上に発現する。そしてIgMとともに同じ抗原特異性をもつIgDも発現し、B細胞は骨髄から末梢へと移行し、脾臓において成熟B細胞となる。B細胞は、抗原の存在下で抗体を産生するべく、形質細胞(プラズマ細胞、plasma cell)へと最終的に分化する。
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