出版された著作
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/14 16:19 UTC 版)
「オイゲン・フォン・ベーム=バヴェルク」の記事における「出版された著作」の解説
『資本と利子』の第1巻が『資本利子理論の歴史と批判』("Geschichte und Kritik der Kapitalzinstheorien"、1884年)である。これは利子の現象について代わりとなる理論(使用説、生産力説、禁欲説、等々)を徹底的に批評した概説である。また、そこにはマルクスの搾取理論の批判も含まれていた。ベーム=バヴェルクは、資本家は労働者を搾取するのではなく、労働者が生産を手伝った生産物から得られる収入の中から十分に、前もって所得を与えることで、労働者に提供する、と主張した。 『マルクス体系の終結』(1896年)では、生産要素の間で所得がいかに配分されるかということが、基本的に政治的というよりは経済的な問題であると主張した。そしてオーストリア学派の解答で労働価値説へ、同様にいわゆる「賃金の鉄則」へ、反論しようと試みた。 『資本と利子』の第2巻として提供されたベーム=バヴェルクの『資本の積極理論』("Positive Theorie des Kapitals"、1889年)では、経済の時間消費的な生産過程および人が負担する利子支払について、詳細に記述した。 第3巻の『価値と価格』("Value and Price")はメンガーの『原理』の上に構築され、オーストリア学派による限界効用理論を以下の様にはっきりと提示した。 ここに1人の開拓農民が穀物5袋を持っていて、他に売買するすべは無かったとしよう。彼にはその穀物について5つの使い道があるとしよう。自分自身の基礎的食糧 体力をつけるための食料 食事に変化をつけるための鶏の飼料 ウイスキーを造る原料 ペットのオウムのエサ ここで農民が穀物1袋を失ったとする。彼は、全ての活動を1/5ずつ縮小する代わりに、オウムを飢え死にさせることになる。何故ならそれが他の4つの用途よりも効用が少なかったから──言い換えれば、それが限界上にあったから──である。大きな絵を見るようなマクロな視点からではなく、限界上にあるミクロな観点から、我々は経済的決定を下すのである。 『資本と利子に関する余論』("Exkurse zur Positiven Teorie des Kapitals"、英題:"Further Essays on Capital and Interest"、1921年)は第3巻だが、当初第3巻として出された第2巻への追補(?)として始まった。
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